床倍率判定表
平均存在床倍率が必要床倍率(耐震・耐風)より大きいか判定結果を確認し、判定表を作成します。
耐力壁線や火打構面の判定内容も確認でき、耐力壁線チェック表、必要床倍率計算表、平均存在床倍率計算表、床倍率判定表、火打構面判定表を作成できます。
床倍率をチェックするA510550_ykc_sec01
- 「性能表示モード」の「床倍率」メニューから「床倍率判定表」を選びます。
- 「床倍率判定」ダイアログで判定結果を確認します。
「平均存在床倍率」が「必要床倍率(耐震・耐風)」以上のときは判定が「OK」、未満のときは「NG」になります。 - 耐力壁線の判定結果を確認する場合は「耐力壁線チェック」、
必要床倍率計算表の内容を確認する場合は「必要床倍率」、
平均存在床倍率計算表の内容を確認する場合は「存在床倍率」、
火打構面判定表の内容を確認する場合は「火打構面判定」をクリックします。 - 判定表を配置する場合は「OK」、確認のみの場合は「キャンセル」をクリックします。
メモ
- 平均存在床倍率は、吹抜、外部を考慮して算出しています。
NGの判定が出た場合A510550_ykc_sec02
床倍率の判定が「NG」になった場合、次のような対処方法があります。
必要床倍率を下げる
- 「耐力壁線チェック」で、「○」や「×」となっている通りを「◎」になるように検討します。
- 耐力壁区画の面積が大きい場合は、耐力壁を追加して耐力壁線を設定し、耐力壁区画を分割します。
(詳しくは、「耐震必要床倍率について」を参照) - 建物形状の隅部が入隅になっている場合は、入隅部分に耐力壁線が追加できないかを検討します。
平均存在床倍率を上げる
- 存在床倍率の高い床材、屋根材に変更します。
- 火打構面を追加して存在床倍率を上げます。
- 耐力壁を追加できない場合は、準耐力壁等を追加して検討します。
- 屋根構面部分で倍率が足りない場合、天井面に構面を配置することで構面の倍率を上げて対処する方法もあります(そのように施工する必要があります)。
「耐力壁線チェック表」ダイアログの機能A510550_ykc_sec03
チェックした耐力壁線の判定結果を確認します。
「判定」の「◎」「○」「×」については、「耐力壁となる条件」を参照してください。
メモ
- 「専用初期設定:性能表示」の「合算による補正壁量」がONのとき、耐力壁線でない通り(判定「×」)から直交方向1m以内にある両隣の耐力壁線でない通り(判定「×」)の耐力壁、準耐力壁等の存在壁量を合算できます。
耐力壁線の補正によって拾われた耐力壁は、耐力壁線チェック表において( )で表示されます。
(詳しくは、「耐力壁線の合算について」を参照)
「必要床倍率計算表」ダイアログの機能A510550_ykc_sec04
必要床倍率計算表の内容を確認します。
耐震必要床倍率について
耐震必要床倍率は、次の計算式で求められます。
「耐震必要床倍率 = α × 耐力壁線間距離 × 性能表示の地震力の必要壁量(m/m2) / 2」
※ ZEROでは必要壁量の単位がcm/m2からm/m2になっているため、最後の割る値を200から2に変更し計算しています。
※ 性能表示の必要壁量は、「専用初期設定:必要壁量-性能表示」の「地震力」を参照しています。
※ 係数 α は、各床区画の上下階における耐力壁線の条件に応じて、下表の値を使用します。
対象とする床 | 床区画と耐力壁線の条件 | 係数 α | |
2階建ての2階 平屋建て |
「○」の最外周耐力壁線に片側が接する床区画 | 2.0 | |
「◎」の耐力壁線に両側を挟まれた床区画 | 1.0 | ||
2階建ての1階 及び下屋部分 |
「○」の最外周耐力壁線に片側が接する床区画 | 2.0 | |
「◎」の耐力壁線に両側を挟まれた床区画 | 床区画の上に上階耐力壁線がある | 1.0 | |
床区画の上に上階耐力壁線がない | 0.5 |
床倍率の判定が「NG」になった場合、耐震必要床倍率を下げるには、係数 α と耐力壁線間距離を小さくする必要があります。
(A)のように、耐力壁区画が「◎」の耐力壁線に両側を挟まれていると、α が一番小さくなります。 α が大きいと必要床倍率が増えて、結果的に不利になります。 【対処方法】 (B)のように、その耐力壁区画の上(上階)に耐力壁線があると α が大きくなるため、上階に耐力壁線がないように耐力壁線を揃えることを検討します。 または、「○」の通りを「◎」となるように耐力壁線を検討して、必要床倍率を小さくします。 |
耐風必要床倍率について
耐風必要床倍率は、次の計算式で求められます。
「耐風必要床倍率 = 耐力壁線間距離 / 壁線方向距離 × α × CW」
CW=性能表示の風力の必要壁量 × β
β:2階建ての2階/平屋建ては「1.4」、2階建ての1階は「2.8」
※ 性能表示の必要壁量は、「専用初期設定:必要壁量-性能表示」の「風力」を参照しています。
※ 壁線方向距離は吹抜部分の長さを考慮しません。区画を構成する2本の耐力壁線の壁線方向距離の長いほうが有効になります。
「平均存在床倍率計算表」ダイアログの機能A510550_ykc_sec05
平均存在床倍率計算表の内容を確認します。
平均存在床倍率について
平均存在床倍率は、以下のような区画で計算します。
床区画の中に水平構面が1種類の場合 |
ただし、火打倍率を考慮する場合は、 「平均存在床倍率 = Q + H」 (Q:水平構面の床倍率、H:火打倍率、L:壁線方向距離) |
耐力壁線と垂直な線で区分(直交小区画)されている場合 |
ただし、火打倍率を考慮する場合は、 「平均存在床倍率 = Σ(Ai)/ Σ(Li)= Σ((Qi+Hi)×Li )/ Σ(Li)」 (Qi:水平構面(i)の床倍率、Hi:火打倍率、Li:壁線方向距離、A =(Q+H)× L) |
耐力壁線と平行な線で区分(平行小区画)されている場合 |
(例)下図のような耐力壁区画の場合は、区画1-3と分割して各自計算を行います。 区画1は「ΣA/ΣL=2.75」、区画2は「ΣA/ΣL=2.25」、区画3は「ΣA/ΣL=2.50」のうち、最小の ΣA/ΣL を平均存在床倍率とします。 |
メモ
- 小屋裏部屋などで床構面と屋根構面を重ねて入力した場合、平均存在床倍率計算では両方の倍率を足し合わせて計算します。ただし、吹抜が重ねて入力されている場合は、倍率は「0.0」となります。
- 火打の存在床倍率(Hの値)は、「専用初期設定:性能表示」の「火打構面チェック」の設定によって異なります。
(詳しくは、「火打構面のチェック方法を変更するには」を参照)
「火打構面判定表」ダイアログの機能A510550_ykc_sec06
火打構面判定表の内容を確認します。
火打構面判定の流れ
① | 耐力壁区画の面積とそこに配置された火打(異種のものも全て)の数で火打1本の負担面積を算出します。 |
② | 耐力壁区画内にある「算出した負担面積以上の火打」を全て抽出し、その中で一番小さい負担面積の火打を採用します。 |
③ | 負担面積が同じで梁せいの異なる火打が存在した場合には床倍率の最も小さい火打を採用します。 |
判定結果について
火打構面の判定方法は、「専用初期設定:性能表示」の「火打構面チェック」で「耐力壁区画」または「火打構面」を選びます。
【判定方法が「耐力壁区画」の場合】
下表のような判定結果になった場合、A~C は次のように計算されます。
「A」:火打があり、負担面積を満たす場合(判定がOK) |
1本の負担面積が配置されている火打の負担面積以下の場合であり、「横架材せい最小寸法」「火打による水平構面の仕様」「記号」を表示して、平均存在床倍率に火打倍率を足します。 |
「B」:火打があるが、負担面積を満たさない場合 |
1本の負担面積が配置されている火打の負担面積より大きい場合、「横架材せい最小寸法」を表示して平均存在床倍率に火打倍率を足しません。 |
「C」:火打がない場合 |
「本数」は「0」で、「1本の負担面積」「横架材せい最小寸法」「火打による水平構面の仕様」「記号」を表示せず平均存在床倍率に火打倍率を足しません。 |
【判定方法が「火打構面」の場合】
平均存在床倍率を計算するとき、火打判定区画に含まれていない火打は計算の対象としません。
床倍率判定表を作成するA510550_ykc_sec07
- 「性能表示モード」の「床倍率」メニューから「床倍率判定表」を選びます。
※ 壁量計算表では、「性能」メニューから「床倍率判定」の「床倍率判定表」を選びます。 - 「床倍率判定」ダイアログの「表登録」で、作成する表にチェックを付けます。
- 表の内容を確認して、「OK」をクリックします。
- 表の配置位置(左上)をクリックします。
メモ
- 新たに表を配置すると、既存の表は削除されます。
- 表の文字高や欄の間隔は「専用初期設定:図・表-図・表描画」で設定します。
- 表内の数値の表示桁数や丸め方法は「専用初期設定:図・表-計算」で設定します。
- 表の列幅は各項目の文字が収まるように自動設定されます。面積表の属性変更で「列幅自動設定」をOFFにすると、各項目の列幅を設定できます。このとき、文字列が収まらない場合は、文字サイズを小さくして収まるように自動調整されます。
- 表の文字のフォント、スタイルは「共通初期設定:フォント」の「表・タイトル」「表・項目」「表・文字」の設定が連動します。