柱の負担領域自動/柱の有効細長比
2025年4月の建築基準法改正「柱の小径に関する基準の見直し(令第 43 条関連) 」に対応した、柱の小径を算出し、有効細長比の算定表を配置します。
メモ
- 柱の小径を求める算定は、下記の3通りに対応しています。
2-1.算定式と有効細長比より柱の小径を求める場合
2ー2.樹種等を選択し算定式と有効細長比より柱の小径を求める場合
2-3.柱の小径別に柱の負担面積を求める場合
※ 参考文献:公益財団法人 日本住宅・木材技術センター「表計算ツール(多機能版)」 - 柱の小径の検討でNGとなる場合には、下記の対処方法を検討してください。
・柱の小径を大きくする。(例:105mm→120mm)
・有効細長比の改善をする。(例:横架材間の寸法や柱の長さを検討する)
・柱の負担面積を検討する。(例:柱の負担面積が5㎡以上の為、5㎡以下になるように柱の位置や本数を検討する)
・柱の樹種を検討する。(例:すぎ→ひのき)
柱の負担領域を自動配置する
柱の負担面積を自動算出し「モード切替(負担面積)」を表示し、判定結果を塗り潰しを表示します。
※公益財団法人日本住宅・木材技術センター「「柱が負担する床面積」の確認方法(例)
」の「3.ソフトウエアを利用した柱の負担面積を求める方法(任意の位置を最も距離の近い柱に負担させる方法)」
メモ
- 柱が読み込まれていないデータでは実行できません。
- 床面積設定が入力されていないデータでは実行できません。
- コマンド実行時に「モード切替(負担面積)」に切り替えます。
- 「柱小径」メニューから「柱の負担領域自動」をクリックします。
- 通り番号と参照床面積の設定を行い、「OK」をクリックします。
※参照床面積の初期値は「性能表示」(小屋裏部分の面積等を含んだもの)としています。必要に応じてチェックを切り替えてください。 - 「モード切替(負担面積)」に切り替わります。
柱の負担領域が自動作成されます。作成された領域は、塗り潰し表示されます。
塗り潰し表示と「-」「*」表示ついて
塗り潰しと記号 | 判定 | 確認方法 | 柱の種類 | 判定の根拠 | 条件・補足 |
判定OK | 必要小径 | 全て | ・柱小径の判定OK ・有効細長比が150以下で判定OK ・負担面積が5m2以下 |
全てに該当する場合 | |
負担可能面積 | 外周部の柱 外周部(下屋)の柱 |
・有効細長比が150以下で判定OK ・負担面積の判定OK |
|||
判定OK | |||||
負担可能面積 | 内部の柱 内部(下屋)の柱 |
・負担面積の判定OK ・有効細長比が150以下で判定OK |
|||
判定NG | 必要小径 | 全て |
・柱小径の判定NG ・有効細長比が150を超えで判定NG ・負担面積が5m2超え |
いづれか1つが該当する場合 | |
負担可能面積 | 全て | ・負担面積の判定NG ・有効細長比が150を超えで判定NG |
|||
判定不要 | 全て | 全て | 確認不要の柱 「座屈防止効果が期待できるために小径の確認不要」チェックがON |
確認不要の 詳細はこちら |
|
* | 必要小径 | 下屋部分の柱 | 下屋の柱の場合に記号を表記 | ||
負担可能面積 | 外周部(下屋)の柱 内部(下屋)の柱 |
メモ
- 確認方法「必要小径」
「2-1.算定式と有効細長比より柱の小径を求める場合」
「2-2・樹種等を選択し算定式と有効細長比より柱の小径を求める場合」
では、負担面積が5㎡を超えている場合に「判定NG」で表示されます。 - 柱の負担領域については、公益財団法人 日本住宅
木材技術センター「柱の小径2-3「柱が負担する床面積」の確認方法(例)」の「3.ソフトウエアを利用した柱の負担面積を求める方法(任意の位置を最も距離の近い柱に負担させる方法)」に基づいて求めています。
- 通り番号のチェックについて
通り番号 柱の通り番号を設定するときはONにします。現在の通り番号を更新したくないときはOFFにします。
※ 通り番号の配置方法は「専用初期設定:自動条件-通り番号配置」で設定します。原点指定 「専用初期設定:自動条件-通り番号配置」の「配置方法」で「ピッチ」を選んだ場合に、配置原点を指定するときはONにします。OFFのときは、図面に入力されている柱を参照し、一番左下の柱の中心が原点になります。
※ 通り番号は、原点の位置から左側は「X-1」、下側は「Y-1」というように「マイナス(-)」で表記されます。平面図参照 1階平面図に入力した通り芯と同じ番号にするときはONにします。OFFのときは、左下からX方向にX0、X1、X2・・・、Y方向にY0、Y1、Y2・・・の通り番号になります。
※ ONにするときは、柱のある通りには必ず平面図に通り芯を入力してください。
柱負担領域ダイアログ
柱の座標、材種、幅、負担面積や判定結果を確認します。
柱の位置 | 階および柱位置の通り番号を表示します。通り番号が未作成の場合には番号は□として表示します。 | ||
柱材 | 基準強度マスタより取得した規格、樹種名称および圧縮強度値を表示します。 | ||
サイズ | 対象柱のサイズを表示します。 | ||
負担面積 | 「一括自動立上」や、「柱小径」メニューの「柱の負担領域自動」で算出した負担面積が表示されます。計算根拠は、木造壁量計算表2025の「基準法」メニューの「柱の小径」-「柱の負担領域求積図」で確認できます。 | ||
確認方法 | 確認方法や判定方法については、こちらを参照してください。 | ||
座屈防止効果が期待できるために小径の確認不要 | 座屈防止効果が期待できる柱の場合に、チェックをONにして座屈の検討を省略します。 |
確認方法と判定方法について
2-1.算定式と有効細長比より柱の小径を求める場合(「必要小径」がONで、柱の樹種が「すぎ(初期値)」の場合)
2ー2.樹種等を選択し算定式と有効細長比より柱の小径を求める場合(「必要小径」がONで、柱の樹種が「すぎ(初期値)以外を選択した場合」)
判定方法 2-1 または 2-2 |
2-1は柱の等級と種類が無等級材すぎ(圧縮の基準強度17.7N/mm2)前提とした算出方法となります。 2-2は柱の圧縮基準強度FcをJAS等の規格ごと、樹種ごと、等級ごとに選択し算出します。 |
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正角材を前提した算定方法です。 | ||
柱の負担可能面積は柱1本あたり5m2として計算しており、設計時の柱の配置や間隔を確認してください。 | ||
2階経ての下屋部分の柱の小径の算定は、平屋の表計算ツールを用いてもよい為、平屋の計算で判定することが可能です。 |
小径 | 柱サイズ(幅X幅Y)の小さい方(左辺)が、計算式(右辺)以上で判定OKとなります。 |
有効細長比 | 計算式(左辺)が、有効細長比150(右辺)以下で判定OKとなります。 |
柱サイズ |
柱のサイズ幅X幅Yのうち、小さい値が表示されます。 |
有効細長比計算式 | 横架材間距離から求める柱の有効細長比の計算式を表示します。「柱小径」メニューの「柱の有効細長比」と同等の計算式です。√12×横架材間距離/柱の小径 ※柱の小径はを利用 |
de 計算式 | 座屈の検討により算出した柱の必要小径を表示します。計算式の詳細は、「表計算ツール(多機能版)」Excelの解説・注意事項シートを参照してください。 |
150.00 | 柱の有効細長比の判定に利用する定数「150.00」を表示します。※令第43 条第6 項、規則第1 条の3 表2 |
下屋部分の柱 | 2階建ての下屋部分の柱の場合に、平屋の表計算ツールを用いる場合にONにします。初期値はチェックOFFです。 |
判定方法 2-3 | 表計算ツールによって、柱の負担可能面積を求めた後、別途平面図等を利用して柱の割り付け作業が必要です。 | |
長方形断面の柱も設定でき、短辺方向を座屈方向として算定します。 | ||
2階経ての下屋部分の柱の小径の算定は、平屋の表計算ツールを用いてもよい為、平屋の計算で判定することが可能です。 |
負担面積 | ソフトウェアを利用して求めた負担面積(左辺)が、計算式(右辺)以下で判定OKとなります。 |
有効細長比 | 計算式(左辺)が、有効細長比150(右辺)以下で判定OKとなります。 |
負担面積(ソフトウェア算出) |
「柱小径」メニューの「柱の負担領域自動」で算出した負担面積が表示されます。計算根拠は、木造壁量計算表2025の「基準法」メニューの「柱の小径」-「柱の負担領域求積図」で確認できます。 |
有効細長比計算式 | 横架材間距離から求める柱の有効細長比の計算式を表示します。「柱小径」メニューの「柱の有効細長比」と同等の計算式です。√12×横架材間距離/柱の小径 ※柱の小径は柱のサイズ幅X幅Yのうち、小さい値を使用 |
Aa計算式 | 座屈の検討により算出した柱の負担可能面積を表示します。計算式の詳細は、「表計算ツール(多機能版)」Excelの解説・注意事項シートを参照してください。 |
150.00 | 柱の有効細長比の判定に利用する定数「150.00」を表示します。※令第43 条第6 項、規則第1 条の3 表2 |
外周部の柱・内部の柱・(下屋) | 「外周部の柱」「内部の柱」「外周部(下屋)の柱」「内部(下屋)の柱」を選択します。「一括自動立上」や、「柱小径」メニューの「柱の負担領域自動」では自動割り当てされ、柱負担面積の「属性変更」から切り替え可能です。Aa 計算式に反映します。 |
柱の有効細長比を確認し算定表を配置する
2025年4月の建築基準法改正「柱の小径に関する基準の見直し(令第 43 条関連) 」に対応した有効細長比を算出し、判定結果を配置します。
柱の有効細長比(最大値)= √12 × 横架材相互間の垂直距離(最大値)/柱の小径
- 「柱小径」メニューから「柱の有効細長比」をクリックします。
※ 木造壁量計算表2025では、「基準法」メニューの「柱の小径」から「柱の有効細長比」をクリックします。 - 柱の有効細長比ダイアログが表示されます。判定がOKになっていることを確認し「OK」をクリックします。
続いて、図面上の任意の点をクリックし算定表を配置します。
メモ
- 「任意入力」をONにすると、「柱の小径」と「横架材間距離」は数値を変更できシミュレートできます。変更することで判定結果に反映します。
- 各数値については下記の通りです。
階 各階毎に検討します。 柱の小径(b)mm 各階毎に入力されている、柱の幅X・幅Yの最小の柱小径を表示します。
正角ではない場合、幅、せいの小さい方を表示します。
有効細長比の判定がNGの場合には、数値を変更してシミュレートが可能です。
例:柱の小径105mmでNGの場合に、105mm→120mmに変更して判定がOKになる。
柱幅を変更する場合には、平面図で柱サイズを変更し、木造壁量計算2025で「ツール」メニューの「平面図読込」を行って更新してください。横架材間距離(h)mm 「物件初期設定:基準高さ情報」の軒高等から算出した下記の横架材間寸法を表示します。
1F:物件初期設定の軒高-物件初期設定の土台せい-120mm(梁せい:プログラム固定)
※平屋の場合 物件初期設定の軒高-物件初期設定の土台せい-105mm(梁せい:プログラム固定)
2F:物件初期設定の軒高-105mm(梁せい:プログラム固定)
変更する場合には、数値を入力しEnterキーで確定すると、再計算し再判定します。小径/横架材間距離(b/h) 1/(横架材間距離/柱小径)を表示します。小数桁切り捨て 断面最小二次率半径(b/√12) 横架材間距離/√12を表示します。小数2桁切り捨て 有効細長比(√12×h/b) √12×横架材間距離/柱小径を表示します。小数桁切り上げ 判定≦150 有効細長比が150以下で判定OKを表示します。151以上でNGを表示します。 - 配置した柱の有効細長比の算定表を「属性変更」して、「列幅自動設定」をONにすることで表の列幅の調整ができます。