初期設定:構造計算条件Ⅱ
筋かい・面材・各構面の倍率や配置条件を設定します。また、準耐力壁等について設定します。

筋かいの倍率を設定するにはA630245_sj2_sec01
筋かいの仕様や倍率は、「筋かい倍率設定」をクリックして設定します。
圧縮と引張について
シングル筋かいは加力方向によって壁倍率が異なり、加力によって筋かいの座局が起こる向きを「圧縮筋かい側」、筋かいの引き抜けが起こる向きを「引張筋かい側」といいます。「鉛直構面の許容耐力と剛性」では、筋かいの向き(圧縮時・引張時)を考慮して、加力方向ごとに許容耐力を算出します。
メモ
- 筋かいのNo.1~5はプログラム固定で、編集できません。筋かいを追加する場合は、No.6以降に登録します。

面材の倍率を設定するにはA630245_sj2_sec02
壁に張り付ける面材の仕様や倍率は、「面材倍率設定」をクリックして設定します。
準耐フラグ | 許容応力度計算では、耐力要素として準耐力壁や腰壁等も含まれます。面材を耐力壁だけでなく準耐力壁にも使用する場合はONにします。 準耐力壁として使用できない面材はOFFにします。OFFの場合、準耐力壁の面材を壁倍率に算入しません。 |
釘低減係数 | 「準耐フラグ」がONの場合に、釘配列低減係数を設定します。 |
伏図表示 | 画面表示または計算書の「柱壁伏図」で描画する面材の線種を、実線または破線から選択します。 |

水平構面の倍率を設定するにはA630245_sj2_sec03
床面や屋根面に張る面材および火打材の仕様や倍率は、「水平構面倍率設定」をクリックして設定します。「構面種別」で種別を切り替えて、仕様・倍率を設定します。
記号
構面の「記号」は、プログラム固定です。
構面種別 | 記号 |
床構面(面材張り床面) | F |
屋根構面(面材張り屋根面) | R |
火打構面(火打水平構面) | H |
面材張り床面/面材張り屋根面
⊿Qa(kN/m) | 単位長さ当たりの許容せん断耐力を設定します。 |
床倍率 | 面材の強度が「⊿Qa÷1.96」で自動計算されます。 |
火打水平構面
種類 | 火打材の種類を、「木製火打」または「火打金物」から選択します。 |
幅、せい | 「木製火打」のとき、幅とせいを設定します。 |
負担面積 | 火打材1本当たりで負担できる床面積(許容負担面積)を設定します。 |
必要梁せい | 火打材を取り付ける梁の必要とするせいを設定します。 |
⊿Qa(kN/m) | 単位長さ当たりの許容せん断耐力を設定します。 |
床倍率 | 火打材で構成する構面の強度が「⊿Qa÷1.96」で自動計算されます。 |

耐力壁等の初期配置条件を設定するにはA630245_sj2_sec04
「鉛直」メニューの「耐力壁(外)」「準耐力壁(外)」などで耐力壁や準耐力壁を入力するときに使用する筋かい・面材の初期値は、「耐力壁等初期配置設定」をクリックして設定します。
なお、データを読み込むときに使用する面材の初期値は、「連動時 面材設定」で設定します。
耐力壁
筋かいと面材の初期値を各階別に設定します。面材については、外部は建物の外面・内面別に設定でき、内部は両面とも同じ仕様になります。
仕様 | 筋かいの仕様は、「筋かい倍率設定」で設定した一覧から選びます。 面材の仕様は、「面材倍率設定」で設定した一覧から選びます。 |
施工 | 筋かいのタイプを、「シングル終上」「シングル始上」「ダブル」から選びます。 面材の上端位置を、「梁下まで」「天井まで」から選びます。耐力壁となる面材の場合は「梁下まで」とします。 |
準耐力壁
面材の初期値を各階別に設定します。外部は建物の外面・内面別に設定でき、内部は両面とも同じ仕様になります。
仕様 | 面材の仕様を、「面材倍率設定」で設定した一覧から選びます。 |
施工 | 面材の上端位置を、「梁下まで」「天井まで」から選びます。 準耐力壁等の面材の場合は「天井まで」とします。 |

水平構面の初期配置条件を設定するにはA630245_sj2_sec05
水平構面を入力するときの初期値は、「水平構面初期配置設定」をクリックして各階別に設定します。この初期値は、データを読み込むときにも参照します。
仕様 | 床に張る面材、屋根に張る面材、火打で構成する構面の仕様を、「水平構面倍率設定」の各構面種別で設定した一覧から選びます。 ※「小屋」の「面材張り床面」には、小屋裏の床面の面材を設定します。 |
火打隅長 | 隅から火打部材を取り付ける位置までの距離を設定します。壁芯で指定します。 |
メモ
- データを読み込むときは、この設定をもとに床構面、屋根構面が次のように配置されます。
床構面 | 平面図の部屋領域を参照して、2~3階に「面材張り床面」の設定で床構面を配置します。 |
屋根構面 | 平面図の部屋領域(外周)を参照して、小屋伏図に「面材張り屋根面」の設定で屋根構面を配置します。 |

耐力壁・準耐力壁等の条件を設定するにはA630245_sj2_sec06
準耐力壁等の横架材間の寸法や開口高、面材・筋かいの最小長さなどを設定します。これらは耐力壁や準耐力壁を入力するときの初期値となり、鉛直構面の算定において面材の倍率を求めるときに使用します。
横架材間内法高さ | 土台(梁)天端から上階の梁の下端までの高さを各階別に設定します。 ※ PH階の高さは、「初期設定:物件情報」の「ペントハウス」がONの場合に設定できます。 ※「横架材間内法高さ」に入力できる数値の上限は、「初期設定:物件情報」の「階情報」で設定した高さによります。 |
天井高 | 床上(FL)から天井下地材までの高さを各階別に設定します。「横架材間内法高さ」の80~100%までの数値を入力できます。 |
開口部 | 窓の種類別に、記号、腰高、開口高を設定します。 「記号」には、計算書の「柱壁伏図」で描画する建具記号を半角2文字または全角1文字で設定します。何も入力しない場合は描画しません。 |
開口高さを補正する | データを読み込むときに、開口の実寸高さから、「開口部」で設定した高さの内輪で近い窓の種類に置き換える場合はONにします。このとき、「掃出」の開口高を超える高さの開口は、実寸高さのままセットされ、窓の種類が「個別」になります。 OFFの場合は、すべての開口が実寸高さのままセットされ、窓の種類は「個別」になります。 |
高倍率壁使用(倍率7倍超を実倍率で計算) | 許容応力度計算で使用する壁倍率(耐力壁+準耐力壁倍率)の最大倍率を7.0倍とするときはOFFにします。最大7.0倍の制限を解除して、7.0倍を超えた壁倍率を使用したいときはOFFにします。 |
面材最小長さ 筋かい最小長さ 準耐力壁最小長さ |
耐力壁、準耐力壁として有効とする最小長さを設定します。 ※「面材耐力壁455㎜使用」がONのとき、「面材最小長さ」は設定できません。 |
階高比制限も考慮する | 耐力壁、準耐力壁として有効とする条件で、長さに加えて階高との比率も考慮するときはONにします。ONのとき、最小長さかつ次式を満たす長さが必要になります。 面材長さ ≧ 軸組階高/5 面材準耐力壁長さ ≧ 軸組階高/3.5 筋かい長さ ≧ 軸組階高/3.5 |
面材耐力壁455㎜使用 | 面材のみの耐力壁が有効となる最小長さを455㎜としたいときは、ONにします。 ※ 筋かいが設定されていても、筋かいの倍率は耐力壁の倍率には加算されません。 |

連動時の面材の配置条件を設定するにはA630245_sj2_sec07
データを読み込むときに使用する面材の初期値は、「連動時 面材設定」をクリックして設定します。
(面材の連動については、「鉛直構面の面材の連動について」を参照)
筋かい壁構造ありの場合・その他の壁の場合
「筋かい壁構造ありの場合」「その他の壁の場合」で、階ごとに面材の初期値を設定します。
筋かい壁構造ありの場合 | 筋かいに壁構造がある場合に使用する仕様です。 |
その他の壁の場合 | 「自動条件」ダイアログの「準耐力壁を作成する」をONにしてデータを読み込む場合に使用する仕様です。 |
「外部」は建物の外面・内面別に設定でき、「内部」は両面とも同じ仕様になります。
仕様 | 面材の仕様を、「面材倍率設定」で設定した一覧から選びます。 |
施工 | 面材の上端位置を、「梁下まで」「天井まで」から選びます。 |