耐力壁(外)/準耐力壁(外)/耐力壁(内)/準耐力壁(内)
建物外部と内部に耐力壁、準耐力壁等を入力します。
メモ
- 鉛直構面が重複するように入力することはできません。また、入力後にトラッカーなどを使って耐力壁を伸縮した結果、鉛直構面が重複するような場合、構造計算を実行するとエラーが出ます。

耐力壁(外壁)を入力するA630530_tig_sec01
ここでは、建物外部に耐力壁を入力する操作で解説します。内部の耐力壁も同様な手順で入力できます。
「鉛直」メニューから「耐力壁(外)」または「耐力壁(内)」を選びます。
- 「鉛直構面」ダイアログで仕様などを確認します。
- 耐力壁の始点と終点をクリックします。
※ 始点・終点は時計廻りに指定します。始点側から見て左側が外面、右側が内面となります。
メモ
- 耐力壁・準耐力壁(外部)の初期値を設定する「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「耐力壁等初期配置設定」で、出荷時は「外面」が「なし」、「内面」が「石膏ボード」となっているため、時計廻りに入力してください。
- 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「階高比制限も考慮する」がONのとき、「※筋かい倍率は高さによる低減あり」が表示されます。
- 1点目に入力した位置が始点となり、筋かいシングルの上り方向、面材の外・内面側に影響します。
- 入力した耐力壁が規定の長さより短い場合は、メッセージバーに「筋かい最小長さより短いため、筋かいなしに変更されました」が表示され、耐力壁の筋かいの仕様が無効になります。
規定の長さは、「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「準耐力壁等設定」の「筋かい最小長さ」で設定します。 「属性別選択」では、外部の鉛直構面、内部の鉛直構面に分類されます。耐力壁のみ、準耐力壁のみを選択することはできません。

準耐力壁(外壁)を入力するA630530_tig_sec02
ここでは、建物外部に準耐力壁を入力する操作で解説します。内部の準耐力壁も同様な手順で入力できます。
「鉛直」メニューから「準耐力壁(外)」または「準耐力壁(内)」を選びます。
- 「鉛直構面」ダイアログで仕様などを確認します。
- 開口部がある場合は、「窓種類」を「個別」「小窓」「中窓」「大窓」「掃出」から選びます。
※ 腰高と開口高を設定したいときは、「個別」を選びます。 - 準耐力壁の始点と終点をクリックします。
※ 始点・終点は時計廻りに指定します。始点側から見て左側が外面、右側が内面となります。
メモ
- 準耐力壁(外部)の初期値を設定する「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「耐力壁等初期配置設定」で、出荷時は「外面」が「なし」、「内面」が「石膏ボード」となっているため、時計廻りに入力してください。

「鉛直構面」ダイアログの機能A630530_tig_sec03
コマンドによって、「鉛直構面」ダイアログの初期値が異なるだけです。このダイアログで建物外部から内部、あるいは耐力壁から準耐力壁に変更して入力することも可能です。
![]() 【入力ダイアログ】 |
![]() 【属性変更ダイアログ】 |
各コマンドの初期値
コマンド | 用途 | 初期値 |
耐力壁(外) | 建物外部の耐力壁 | 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「耐力壁等初期配置設定」にある「耐力壁:外部」 |
準耐力壁(外) | 建物外部の準耐力壁等 | 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「耐力壁等初期配置設定」にある「準耐力壁:外部」 |
耐力壁(内) | 建物内部の耐力壁 | 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「耐力壁等初期配置設定」にある「耐力壁:内部」 |
準耐力壁(内) | 建物内部の準耐力壁等 | 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「耐力壁等初期配置設定」にある「準耐力壁:内部」 |
設定項目
壁位置 | 建物外部に面する壁のときは「外壁」、建物内部の壁のときは「内壁」を選択します。「耐力壁(外)」で入力するときは、初期値が「外壁」になります。 「内壁」に変更すると、筋かいおよび面材の仕様が「耐力壁等初期配置設定」ダイアログで設定されている初期値の内容に切り替わります。 |
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筋かい | 耐力壁で使用する筋かいについて設定します。 データの読み込んだときの連動については、「鉛直構面の筋かいの連動について」を参照してください。 |
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仕様 | 筋かいの仕様を選択します。筋かいを設定しない場合は「なし」を選択します。 使用したい筋かいの仕様が一覧にない場合は「その他」を選んで、「引張倍率」と「圧縮倍率」を設定します。 |
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タイプ | 筋かいの方向、またはたすき掛け(ダブル)を選択します。 始点は、鉛直構面を入力するときの1点目です。「シングル終上」は、始点から終点へ上方向に行く筋かいです。 |
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引張倍率 圧縮倍率 |
選んでいる筋かいの仕様の引張倍率、圧縮倍率が表示されます(ここでは変更不可)。 「仕様」が「その他」のときは、「引張倍率」と「圧縮倍率」を設定します。 |
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筋かい倍率 | 「引張倍率」と「圧縮倍率」により筋かいの倍率が設定されます。 ・ シングルのときの倍率 =(引張倍率+圧縮倍率)/2 ・ ダブルのときの倍率 = 引張倍率+圧縮倍率 |
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面材 | 耐力壁・準耐力壁で使用する面材について設定します。 データの読み込んだときの連動については、「鉛直構面の面材の連動について」を参照してください。 |
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外面 内面 |
耐力壁・準耐力壁に張る面材の仕様を外面と内面でそれぞれ選択します。面材を設定しない場合は「なし」を選択します。 | |
施工 | 面材の上端位置(梁下まで、天井まで)を選択します。 | |
天井高 | 「施工」が「天井まで」のとき、天井まで張る面材の高さを入力します。 | |
壁倍率 | 選択した面材の強度を表す倍率です。選択した面材の仕様よりセットされます(ここでは変更不可)。 | |
開口 | 準耐力壁の開口について設定します。 | |
窓種類 | 開口部がないときは「なし」、開口部があるときは「個別」「小窓」「中窓」「大窓」「掃出」から開口の大きさを選びます。 腰高と開口高を設定したいときは、「個別」を選びます。 ※ 窓の種類別の開口および腰壁の高さは、「初期設定:構造計算条件Ⅱ」で設定します。 ※ ![]() OFFの場合は、すべてそのままの高さで窓の種類が「個別」になります。 |
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腰高 開口高 |
「窓種類」が「小窓」「中窓」「大窓」「掃出」のときは、「初期設定:構造計算条件Ⅱ」で設定されている高さが表示されます(ここでは変更不可)。 「窓種類」が「個別」のとき、開口部の腰高と開口高を設定します。 ![]() |
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判定 | 鉛直構面の入力時には判定できません。鉛直構面の属性変更にて確認できます。 鉛直構面の左側(外面)(左面)と右側(内面)(右面)に面する面材が、準耐力壁または腰壁等として有効か判定します。 (詳細は、「準耐力壁等の判定について」を参照) |
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壁倍率 | 鉛直構面の入力時には表示されません。鉛直構面の属性変更にて確認できます。 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「階高比制限も考慮する」がONのとき、「横架材天端間高さ」(階高)と「筋かい長さ」(柱間隔)の比が3.5を超える場合には、以下の低減係数を乗じます。 筋かい高さによる低減係数=3.5×筋かい長さ/横架材天端高さ |
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引張倍率 | 耐力壁としての面材+筋かい引張倍率の倍率が表示されます。最大は5.0倍です。 | |
圧縮倍率 | 耐力壁としての面材+筋かい圧縮倍率の倍率が表示されます。最大は5.0倍です。![]() |
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令46条用 | 令46条による壁量計算で使用する耐力壁の倍率が表示されます。最大は5.0倍です。 | |
耐力壁+準耐力壁倍率 | 鉛直構面の入力時には表示されません。鉛直構面の属性変更にて確認できます。 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「階高比制限も考慮する」がONのとき、「横架材天端間高さ」(階高)と「筋かい長さ」(柱間隔)の比が3.5を超える場合には、以下の低減係数を乗じます。 筋かい高さによる低減係数=3.5×筋かい長さ/横架材天端高さ |
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引張倍率 | 耐力壁の引張倍率に、面材の壁倍率を加算した壁倍率が表示されます。許容応力度計算ではこちらの壁倍率を使用します。 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「高倍率壁使用(倍率7倍超を実倍率で計算)」がOFFの場合は、最大は7.0倍です。ONの場合は、制限が解除され、7.0倍を超えた壁倍率を使用します。 |
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圧縮倍率 | 耐力壁の圧縮倍率に、面材の壁倍率を加算した壁倍率が表示されます。許容応力度計算ではこちらの壁倍率を使用します。 「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「高倍率壁使用(倍率7倍超を実倍率で計算)」がOFFの場合は、最大は7.0倍です。ONの場合は、制限が解除され、7.0倍を超えた壁倍率を使用します。 |
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横架材天端間高さ | 土台(梁)の天端から上階の梁天端までの高さを入力します。各鉛直構面の剛性計算で使用します。 | |
横架材間内法高さ | 土台(梁)の天端から上階の梁下端までの高さを入力します。各鉛直構面の剛性計算で使用します。 |

準耐力壁等の判定についてA630530_tig_sec04
面材の種別
種別 | 説明 |
面材なし | 面材が設定されていない場合 |
耐力壁 | 「施工」が「梁下まで」の面材は「耐力壁」になります。 |
準耐力壁 | 「施工」が「天井まで」の面材は「準耐力壁等」になります。 |
腰壁等 | 筋かいがなく、かつ開口のある面材は「腰壁等」になります。 |
NGメッセージ
種別 | メッセージ | NGの理由 |
耐力壁 | なし | (耐力壁についてはエラーが表示されません) |
準耐力壁 | 最小長さNG |
準耐力壁の長さが、「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「準耐力壁 最小長さ」で設定した長さより短い。 または、「初期設定:構造計算条件Ⅱ」の「階高比制限も考慮する」がONで制限を超えている。 |
面材NG | 準耐力壁として使用できない面材が選択されている。 準耐力壁として使用できる面材は、「面材倍率設定」ダイアログの「準耐フラグ」がONの面材です。 |
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天井高さNG | 「鉛直構面」ダイアログの「天井高」が「横架材間内法高さ」の80%未満になる。 ※「天井高(=面材の高さ)≧横架材間内法高さ×0.8」である必要があります。 ※ 高さの初期値は、「初期設定:構造計算条件Ⅱ」ダイアログの「横架材間内法高さ」「天井高」で設定します。 |
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腰壁等 | 腰壁、垂壁高さNG | 腰壁の高さ、または垂壁の高さが36cm未満になる。 |
両側壁NG | 腰壁等の両側に、耐力壁または準耐力壁がない。 | |
両側壁面材NG | 腰壁等の両側に、同種の面材の耐力壁または準耐力壁がない。 | |
最大長さNG | 腰壁等の長さが2mより長い。 |