プログラム名 木造構造計算 Ver. Ver.3 ID Q630160 更新日 2016/09/07

Q:アンカーボルトの引張耐力を検定する方法を教えてください。

A:木造構造計算の「基礎」メニューの「引抜検定」で、柱脚の引抜力による土台の曲げとアンカーボルトの引張耐力を検討します。

ホールダウン金物を使用する場合 ホールダウン金物を設ける場合、土台の曲げモーメントは生じないため、アンカーボルトの引張耐力だけを検定します。
ホールダウン金物を使用しない場合 柱脚に金物、柱から離れた位置にアンカーボルトを設けることになり、柱脚と金物を支持点として土台の曲げモーメントとアンカーボルトの引き抜きが生じるため、土台の曲げ耐力とアンカーボルトの引張耐力を検定します。

ホールダウン金物を使用する場合

  1. 「基礎」メニューから「引抜検定」を選びます。
  2. 「引抜検定」ダイアログの「アンカーボルト(柱脚接合部金物)」を「基礎に埋込む」に変更します。
  3. ここでは、検定する柱の柱脚の引抜力が25kN以下のため、「アンカーボルト径」を「M16」、「基礎埋込み長さ」を「360」に変更します。
  4. 検定する柱とアンカーボルトが取り付く方向を指定します。
  5. 「構造計算」を実行して、計算書の「アンカーボルトと土台の検定」を確認します。

メモ

  • 「アンカーボルトの引張耐力の検定」でNGが出る場合
    柱脚の引張耐力が、アンカーボルトの引張時耐力または座金のめり込み時耐力を超えるとNGになります。次の対処方法を検討してください。
    ・ 柱脚の引張耐力を小さくします(柱に取り付く許容耐力を小さくする)。
    ・ ホールダウン金物が柱の一方にしかない場合、もう一方にも入力して柱の引張力を分散します。
    ・ アンカーボルトがM12の場合、M16に変更します。
    ・ コンクリートの付着耐力は、引抜検定の「基礎埋込み長さ」に比例します。埋め込み長さを大きくします。

ホールダウン金物を使用しない場合

  1. 「基礎」メニューから「引抜検定」を選びます。
  2. 「引抜検定」ダイアログの「アンカーボルト(柱脚接合部金物)」を「土台付け」に変更します。
  3. 「アンカーボルト径」と「基礎埋込み長さ」を設定します。
  4. 「取付距離+」「取付距離-」に、柱からのアンカーボルトの取付距離を設定します。
  5. 検定する柱とアンカーボルト(1)が取り付く方向(+方向)を指定します。
  6. 「構造計算」を実行して、計算書の「アンカーボルトと土台の検定」を確認します。

メモ

  • 「アンカーボルトの土台の曲げ耐力の検定」でNGが出る場合
    土台に加わる曲げ応力が、土台の短期許容曲げ応力度を超えるとNGになります。次の対処方法を検討してください。
    ・ 柱脚の引張耐力を小さくします(柱に取り付く許容耐力を小さくする)。
    ・ 柱の一方にしかアンカーボルトがない場合は、もう一方にも入力して柱の引張力を分散します。
    ・ アンカーボルトが柱から離れていると、曲げモーメントが大きくなるため、柱から距離を見直します。
    ・ 土台の曲げが発生しないように、ホールダウン金物(基礎に埋込み)に変更します。
    ・ 土台の幅・せいを大きくします。
    ・ 土台を曲げ基準強度の高い樹種に変更します。