専用初期設定:建具-建具設定
外皮となる建具の開口寸法、算出するU値とη値について設定します。
建具に付属する部材の連携条件を変更するにはA560152_set_sec01
熱的境界(建具)のU値を求める際に、建築的に設置される付属部材により熱貫流率を補正するときは、「雨戸・シャッター等付属部材による補正を行う」をONにします。
ONの場合、雨戸付、シャッター付、内障子付の建具は「熱的境界(建具)」の「付属部材の熱抵抗」が設定され、付属部材によって定められている熱抵抗値で開口部の熱貫流率が補正されます。
建具に付属する部材 | 付属部材の熱抵抗 |
雨戸、シャッター | シャッター若しくは雨戸 |
内障子、内障子+雨戸、内障子+シャッター | 障子 |
※ 建具に単独の雨戸やシャッターを配置した場合は連携できません。 |
OFFの場合は、全ての建具の「付属部材の熱抵抗」が「なし」になります。
ガラスの仕様の初期値を変更するにはA560152_set_sec02
平均日射熱取得率(ηA)の計算に用いる「熱的境界(建具)」のガラス仕様の初期値を設定します。
ガラスの仕様を選ぶか、方位別にガラスの仕様を設定します。内窓のガラス仕様は内窓の評価方法によって設定する仕様が変わります。
建具のガラスの仕様を選択する
仕様のチェックをONにして仕様名をクリックします。「開口部仕様選択」ダイアログからガラスの仕様を選択します。
枠:木又は樹脂製 | 平成28年省エネ基準の「住宅の平均日射熱取得率算出に用いる材料種別の熱物性値等」の木製建具または樹脂製建具のガラス仕様の一覧を表示します。 |
枠:金属・樹脂(木) 複合他 |
平成28年省エネ基準の「住宅の平均日射熱取得率算出に用いる材料種別の熱物性値等」の木と金属(アルミ)の複合材料製建具または樹脂と金属(アルミ)の複合材料製建具、金属(アルミ)製熱遮断構造建具または金属(アルミ)製建具のガラス仕様の一覧を表示します。 |
ユーザー設定 | 任意に設定したガラス仕様の一覧を表示します。 |
内窓付き(外+内) |
ここでは使用しません。二重窓のガラス仕様の設定で使用します。
「専用初期設定:建具-建具仕様」で内窓の評価方法が「外窓と内窓の組み合わせ仕様」のとき使用する、外窓と内窓を組み合わせた二重窓のガラス仕様です。 |
方位別に建具のガラスの仕様を設定する
方位別に建具のガラスの仕様を設定しておくことで、「熱的境界(建具)」の配置時に、自動で取得する方位によってガラスの仕様も設定されます。
内窓のガラスの仕様を設定する
「専用初期設定:建具-建具仕様」の内窓の評価方法によって設定する仕様が異なります。
● 計算式による
「内窓付き(内窓)」で二重窓の内窓のガラス仕様を選択します。
● 外窓と内窓の組み合わせ仕様
「内窓付き(外+内)」で二重窓の外窓と内窓を組み合わせたガラス仕様を設定します。
「開口部仕様選択」ダイアログの「内窓付き(外+内)」タブから選択します。
メモ
- 「開口部仕様選択」ダイアログの「内容編集」をクリックすると、ガラスの仕様の追加や内容の変更がおこなえます。
「枠:木または樹脂製」「枠:金属・樹脂(木)複合他」タブのガラス区分は、仕様から決まるため表示のみで変更はできません。
- 平成28年度基準、平成25年度基準で計算した物件データを開いた場合は、「開口部仕様選択」ダイアログに「基準年度」が表示されます。
ただし、どちらの基準年度も令和4年4月以降は使用できません。令和3年度基準 令和3年省エネ基準のガラス仕様の一覧を表示します。日射熱取得率は平成28年度と同じ値ですが、ガラス区分が斜入射特性用の区分になります。 平成28年度基準 平成28年省エネ基準のガラス仕様(平成30年10月改正)の一覧を表示します。日射熱取得率は令和3年度と同じ値です。
令和4年4月より平成28年度のガラス仕様は使用できませんので、「令和3年度」を選択してください。平成25年度基準 平成25年省エネ基準のガラス仕様の一覧を表示します。既存のデータで平成25年度基準のガラス仕様を使用している場合に表示されます。
平成29年4月より平成25年基準のガラス仕様は使用できませんので、「令和3年度」を選択してください。
取得日射熱の補正係数の条件を変更するにはA560152_set_sec03
熱的境界(建具)のη値を求める際に使用する取得日射熱の補正係数は、「■取得日射熱の補正方法」で計算方法の初期値を選びます。
「定数(冷房期=0.93暖房期=0.51)」の場合
庇等がある、庇等がない、天窓に関わらず全ての建具の補正係数を、冷房期は「0.93」、暖房期は「0.51」で計算します。
「簡略法等」の場合
方位係数は定数と同じです。
補正係数の計算条件は以下の通りです。
条件 | 計算方法 | |
窓 | 庇あり(張り出し寸法0より大きい) | 簡略計算法 |
庇なし(張り出し寸法0の場合) | 簡略計算法(冷房期:0.93、暖房期:0.72) | |
天窓 | 日除け効果係数(1.0)と斜入射特性 |
「簡略法等」の場合、天窓(方位が上面)のときは「日除け効果係数と斜入射特性」と表記されます。
・ 建具の上部を全て覆っていない(接続する屋根がない)場合は、日除けの対象外となります。
簡略法等の計算方法については、「簡略法等の計算方法について」を参照してください。
メモ
- 取得日射熱の補正係数についての詳細は、国立研究開発法人 建築研究所の『第三章-第四節 付録B』を参照してください。
- 取得日射熱補正係数の数表は、国立研究開発法人 建築研究所のサイトよりダウンロードできます。
「住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報」の「住戸の設計一次エネルギー消費量算定方法」
3-3 外皮の日射熱取得 「取得日射熱補正係数」 -
取得日射熱の補正方法で「詳細法」を設定している物件データを読み込んだ場合は「詳細法」が表示されますが、「定数」「簡略法等」を選択してOKをクリックすると「詳細法」の表示はなくなります。
日除けの庇の寸法について
庇下端から窓上端までの垂直距離と壁面から庇先端までの張り出し寸法にする位置を設定するには、「庇等」の「軒先位置」をクリックします。
選択する項目によって日射の取得量が変わります。
建具の面積算定の条件を変更するにはA560152_set_sec05
熱的境界面積を算定する建具の幅と高さに枠を含むかどうかは、「開口寸法」で設定します。
枠を含むときは「外法」、枠を含まないときは「内法」、物件初期設定で設定した建具の寸法区分を使用するときは「物件初期設定-[建具]-[枠見付]の寸法区分より」、内法基準で計算するときは「内法基準」を選択します。
※「内法基準」は2024年5月版プログラムから追加されました。
内法基準について
「内法基準」をONにして熱的境界(建具)を配置すると、「内法基準」の建具の開口寸法は建具属性の枠見付に関わらず、外法からのオフセット値(下表)により計算されます。
建具種別 | オフセット値 | ||||
左 | 右 | 上 | 下 | ||
サッシ窓 (在来・2×4) |
20 | 30 | 40 | ||
サッシ戸(在来) | 20 | 30 | 0または40(※) | ||
サッシ戸(2×4) | 20 | 30 | 内法 | ||
※ 下枠見付が0の場合は0 |
以下の建具種別やシンボルの場合、設定で「内法基準」をONにして熱的境界(建具)を配置しても、「内法基準」以外の開口寸法で計算されます。
建具種別・シンボル | 開口寸法 |
玄関建具 | 外法 |
3Dカタログ建具で外法基準の建具 | 外法 |
AM建具で新寸法(内法基準)かつ寸法固定ON以外の建具 | 外法 |
ATZERO建具 | 外法 |
ドーマ、トップライト、ガラスブロック | 外法 |
片引き戸で引き込み部が壁の建具 | 内法 |
丸・菱形・三角・アーチのFix窓、取付区分が外付けの建具 | 内法(※) |
※ 内法で計算されますが、表記は「内法基準」になります。 |
メモ
- 「物件初期設定-[建具]-[枠見付]の寸法区分より」がONのとき、建具種別毎に上、下、左右の枠に外法・内法を指定できます。
- 「物件初期設定-[建具]-[枠見付]の寸法区分より」がONのとき、ガラスブロックとドーマ、片引戸と引分戸は「内法」、トップライトは「外法」になります。
- 「熱的境界(建具)」を配置した後に開口寸法を変更した場合は、配置済みのデータに反映されません。「熱的境界(建具)」を再配置してください。