概要設定
「概要設定」では、診断書に記載する建物の概要、総合所見、耐震診断の計算条件(計算方法や劣化度など)を設定します。
メモ
- ZERO耐震診断では、壁を主な耐震要素とした住宅を対象とする「方法1」の一般診断を行うことができます。「耐震診断プログラムについて」の「耐震診断でできること」で適用範囲を記載していますので参照してください。
- 物件データで初めて耐震診断プログラムを開いたときは、「概要設定」が表示されます。
概要を設定する
各項目内容を確認して、概要や計算条件を設定します。
【建物情報】 | 物件名/所在地 | 物件名や所在地を入力します。 |
【築年数】 | 築年数 | 劣化度の低減係数に影響します。築年数が10年以上か10年未満によって、老朽度の調査部位が変わります。 「劣化度を設定する」を参照してください。 |
竣工年月 | 竣工年月を入力します。 | |
【計算方法】 | 必要耐力計算方法 | 「必要耐力」の算定に影響します。総2階建てではないとき「精算法」、総2階建てのとき「略算法(総2階)」を選びます。 |
配置低減計算方法 | 「保有する耐力」の算定に影響します。「精算法」の場合は「偏心率法」(固定)、「略算法(総2階)」の場合は「4分割法」「偏心率法」のいずれかを選びます。 | |
注意事項 | 診断書「総合所見」に記載する内容を入力します。※ 必ず入力してください。 | |
【地盤・地形・基礎】 |
地盤 | 立地条件を調査し、該当する項目をONにします。 |
地形 | 立地条件を調査し、該当する項目をONにします。 | |
基礎形式 | 基礎形式を調査し、該当する項目をONにします。【構造】の「基礎形式」も変更されます。 |
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【構造】 | 階数 | 物件の階情報から連動します。 |
構法 | 建物の構法を設定します。2×4のときは「枠組壁工法(2×4)」を選びます。 | |
建物重量 | 「必要耐力」の算定に影響します。「軽い建物」「重い建物」「非常に重い建物」によって係数が異なります。 | |
説明 | 診断書に記載する「建物仕様」の説明を入力します。 | |
1階構造(混構造) | 木造、2×4のときは「木造」を選び、混構造のときは「木造以外」を選びます。 | |
混構造割増 | 「1階構造」を「木造以外」に変更すると、自動的に「1.2」に変更されます。「必要耐力」の算定に影響し、「必要耐力×混構造割増」となります。 | |
基礎形式 | 【地盤・地形・基礎】の「基礎形式」で変更します。 | |
床仕様(1F)~(3F) | 建物の階ごとに床仕様を設定します。「耐力要素の配置等による低減係数eKfl」に影響します。4分割法による充足率と床仕様、または偏心率と床仕様によって、低減係数eKflが決まります。 ※ 4m以上の吹き抜けがある場合は、床仕様を1段階下げて設定します。 |
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柱接合部 | 建物の主要となる柱接合部を設定します。 | |
【係数】 | 地域 | 建設場所を設定します。 |
地震地域係数 | 地震地域係数を設定します。建築基準法施行令第88条(昭和55年建設省告示第1793号)で定められています。「必要耐力」の算定に影響します。 | |
積雪区分 積雪深さ 積雪加算 |
建設地域が「一般」と「多雪区域」のどちらかを設定します。積雪深さが何mであるかは特定行政庁に確認してください。 「積雪深さ」に連動し、「積雪深さ×0.26」の計算値になります。「必要耐力」の算定に影響します。 |
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積雪備考 | 診断書に記載する「積雪深さ」の説明を入力します。 | |
地盤 軟弱地盤割増 |
特定行政庁が指定する軟弱地盤地域、または第3種地盤に該当する場合は「非常に悪い地盤」に変更します。 「軟弱地盤割増」も「1.5」に変更されます。 「必要耐力」の算定に影響し、「必要耐力×軟弱地盤割増」となります。 |
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形状説明 | 診断する建物に該当する建物の形状を選びます。「形状割増」が変更されます。建物形状(短辺方向の長さ)によって必要耐力の割り増しがあります。 | |
形状割増 | 形状割増は、建物形状と必要耐力の計算方法によって異なるため、「形状説明」「必要耐力計算方法」を変更すると、該当する値に自動的に変更されます。「必要耐力」の算定に影響し、「必要耐力×形状割増」となります。 | |
【床面積】 | 「耐震診断 床面積設定」で床面積表を配置すると、自動的に値がはいります。 | |
【診断士】 | 診断書の表紙に記載する診断士の登録番号、氏名を入力します。 | |
【劣化度】 | 劣化度の低減係数を設定します。「劣化度による低減係数dK」に影響します。 「劣化度を設定する」を参照してください。 |
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目標評点 | 「判定」の結果を赤く表示するときの基準となる評点を設定します。「評価」を参照してください。 | |
総合所見 | 診断書「総合所見」に記載する内容を入力します。 | |
補強金物設定 | 柱接合部や筋かい補強箇所に使う金物の初期値を設定します。設定方法は、「補強金物の初期値を設定する」を参照してください。 | |
描画設定 | 描画したい項目をONにします。詳しくは「図面や診断書の描画を設定する」を参照してください。 | |
壁仕様一覧 | 耐震診断で使用する軸組仕様の記号表現を変更したり、軸組と面材の仕様(仕様名、壁基準耐力など)を確認、追加や変更をします。詳しくは「壁仕様一覧を確認する」を参照してください。 | |
主な壁の仕様 | 耐力壁の入力時に仕様する「軸組仕様」「面材」の初期値を設定します。詳しくは「壁仕様の初期値を設定する」を参照してください。 | |
マスタ読込/マスタ書込 | 【構造】【係数】【地盤・地形・基礎】、注意事項、総合所見などを「マスタ書込」で登録できます。登録した計算条件などを他の物件も使用するときは「マスタ読込」から読み込みます。 ※ マスタ読込・マスタ書込ができない場合は、「設定」の「物件初期設定:マスタ環境-共通マスタフォルダ」で「部品/設備他」タブの「耐震診断」のフォルダが設定されていることを確認してください。 |
メモ
- 【建物情報】【構造】など、「物件情報」や「物件初期設定」と共通する内容は耐震診断を初めて開いたときに連動します。以降、変更が合った場合は手動で設定します。
以下の項目については「マスタ読込」対象外になります。連動元 連動先(耐震診断) 備考 物件情報-物件名 ⇒ 物件名 物件情報-工事場所 ⇒ 所在地 物件初期設定-基準高さ情報-地上 ⇒ 階数 物件初期設定-基準高さ情報-主構造 ⇒ 構法 物件初期設定-性能・地域条件-建築物事項-屋根重さ ⇒ 建物重量 軽い屋根⇒軽い建物
重い屋根⇒重い建物物件初期設定-基準高さ情報-1F構造 ⇒ 1階構造 物件情報設定-工事場所(都道府県のみ) ⇒ 地域 物件初期設定-性能・地域条件-建築物事項-地震地域係数 ⇒ 地震地域係数 物件初期設定-性能・地域条件-建築物事項-積雪の地域 ⇒ 積雪区分 物件初期設定-性能・地域条件-建築物事項-積雪量 ⇒ 積雪深さ(m)
劣化度を設定する (概要設定-劣化度)
劣化度は上部構造評点に影響します。
- 各部位について、調査済み項目をONにします。
※「概要設定」の「築年数」を「10年以上」で設定の場合は、「存在点数」の「築10年以上」の合計で算出されます。 - 調査済みの項目で劣化があった場合は、「劣化あり」をONにします。
- 劣化度による低減係数を確認します。
※ 現況図のときは、「上限値を設定する」をONにして上限値を設定することができます。
計画図のときは、上限値は0.90になります。ただし、現況図で低減係数が0.90を超えている場合は、その値が上限値となります。
メモ
- 「概要設定」の「築年数」を「築10年未満」で設定している場合は、「築10年未満」の合計で算出されます。
- 「調査済」が全てOFFの場合に、「※ 劣化度の調査は必ず行ってください。」のメッセージが表示されます。
図面や診断書の描画を設定する (概要設定-描画設定)
図面や診断書の表記を変えたい場合、「描画設定」で該当する条件をONにします。
計算書表紙に作成日時を出力しない。 |
※ 表紙以外の作成日時は設定できません。 |
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耐力壁番号表示に面材記号を付加する(基準耐力は表記されません)。 | ON・OFFによって以下の内容に影響します。 ・耐力壁の入力時と壁番号自動配置時の面材記号表示 詳しくは、「耐力壁/耐力壁一括配置」の「耐力壁を入力する」のメモを参照してください。 ・「筋かい面材凡例表」の配置 ON:筋かいと面材の凡例表、OFF:筋かいの凡例表のみ |
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計画図のみ
診断計算(現況図)と補強診断計算(計画図)の同位置の壁番号を同じにする。 |
診断書の「柱壁配置図」の耐力壁の壁番号に影響します。 計画図において、現況図と同じ位置の耐力壁の壁番号を同じにする場合はONにします。ONの場合、次のように壁番号が付けられます。 ・現況図と同じ位置の耐力壁には同じ番号を付ける。 ・追加した耐力壁には新しい番号を付ける。 ・計画図で撤去した耐力壁の壁番号は、他の耐力壁で使用しない。 計画図で追加、削除した耐力壁に対して、CAD画面の左上の耐力壁から連番で通したい場合はOFFにします。 ※ 耐力壁の壁番号は、「壁番号自動配置」ダイアログの「OK」をクリックすると割り付け直されます。 |
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壁一覧表 | 伸縮率 | 「壁番号」メニューの「壁一覧表配置」から配置する表の「伸縮率」の初期値を設定します。 表の配置については、「壁一覧表を配置する」を参照してください。 |
計画図のみ 壁一覧表に改修壁のみ記載する。 |
「描画設定」で「壁一覧表に改修壁のみ記載する」をONにした場合は、「壁番号」メニューの「壁一覧表配置」を選んだときに、チェックONで表示されます。 |
補強金物の初期値を設定する (概要設定-補強金物設定 ※計画図のみ)
計画図の場合に「補強金物設定」が表示され、設定可能になります。
この設定は、「数量」メニューの「補強金物数量表」コマンドで表示される金物の初期値を設定します。
- 「補強金物設定」をクリックします。
- 「補強金物初期値設定」ダイアログで「金物(柱頭・始点)」のセルをクリックします。
- 「金物選択」ダイアログで「種別」と「名称」を選んで「OK」をクリックします。
- 同様に「金物(柱脚・終点)」のセルをクリックして金物を設定します。
- 「Ⅰ」「Ⅱ」「筋かい」を設定したら、「OK」をクリックします。
壁仕様一覧を確認する (概要設定-壁仕様一覧)
軸組仕様の記号表現を変更したり、軸組と面材の仕様(仕様名、壁基準耐力など)を確認、追加や変更をします。
【軸組 壁基準耐力】
軸組仕様 | 薄紫色のセルは、「木造住宅の耐震診断と補強方法」の表3.2に記載されている内容であり、変更できません。 白色のセルは、クリックして軸組仕様を追加できます。 |
壁基準耐力 kN/m | 設定する軸組仕様の値を設定します。 ※ この「壁基準耐力 kN/m」は、基準法の「壁倍率」とは異なります。 |
筋かい | 筋かいの向き設定が不要な場合は、「筋かい」をOFFにします。 「耐力壁」ダイアログでOFFにした軸組仕様を選択した場合、筋かいの向きの設定は非表示になります。 |
記号表現 | 耐力壁を入力したときの図面表現です。 |
マスタ読込/マスタ書込 | 編集した壁仕様一覧を「マスタ書込」で登録できます。登録した壁仕様を他の物件も使用するときは「マスタ読込」から読み込みます。操作については「概要を設定する」の「マスタ読込/マスタ書込」と同様です。 |
【面材 壁基準耐力】
面材仕様 | 薄紫色のセルは、「木造住宅の耐震診断と補強方法」の表3.2に記載されている内容であり、変更できません。 白色のセルは、クリックして面材仕様を追加できます。 |
壁基準耐力 kN/m | 設定する面材仕様の「胴縁無」と「胴縁有」の値を設定します。 ※ この「壁基準耐力 kN/m」は、基準法の「壁倍率」とは異なります。 |
記号文字 | 「概要設定」の「描画設定」で「耐力壁番号表示に面材記号を付加する(基準耐力は表記されません)。」がONの場合、「記号文字」の設定によって以下のような面材記号表示になります。 |