柱接合部チェック自動設定
柱(1、2階)のデータを参照して通り番号を配置し、柱の柱脚・柱頭の接合部の仕様を設定します。また、通し柱と胴差、筋かいの接続状況により、胴差と通し柱の接合部の仕様を設定します。
2階建ての1階で実行した場合、上階の耐力壁、通り番号などを参照するため、2階の柱接合部の設定が終了している必要があります。終了していない場合は、「全階実行」で2階から自動設定します。
なお、柱接合部の判定方法は、「専用初期設定:柱接合部・柱の小径」で「性能表示解説書」または「N値計算法」から選択できます。接合部の仕様は、金物マスタの「柱接合部」タブで設定します。
柱接合部に仕様を自動設定するA580470_stg_sec01
- 「基準法モード」の「接合」メニューから「柱接合部チェック自動設定」を選びます。
- 「柱接合部チェック自動設定」ダイアログで条件を設定して、「OK」をクリックします。
- 「通り番号」の「原点指定」をONにした場合は、配置する通り番号の原点をクリックします。
通り番号および柱脚・柱頭の接合部の仕様が自動設定されます。
通り番号 | 柱の通り番号を設定するときはONにします。現在の通り番号を更新したくないときはOFFにします。 ※ 通り番号の配置方法は「専用初期設定:自動条件-通り番号配置」で設定します。 |
原点指定 | 「専用初期設定:自動条件-通り番号配置」の「配置方法」で「ピッチ」を選んだ場合に、配置原点を指定するときはONにします。OFFのときは、図面に入力されている柱を参照し、一番左下の柱の中心が原点になります。 ※ 通り番号は、原点の位置から左側は「X-1」、下側は「Y-1」というように「マイナス(-)」で表記されます。 |
平面図参照 | 1階平面図に入力した通り芯と同じ番号にするときはONにします。OFFのときは、左下からX方向にX0、X1、X2・・・、Y方向にY0、Y1、Y2・・・の通り番号になります。 ※ ONにするときは、柱のある通りには必ず平面図に通り芯を入力してください。 |
柱属性 | 柱脚と柱頭の接合部仕様を自動設定するときはONにします。OFFのときは、柱の接合部仕様は変更されません。 |
柱接合部チェック自動判定 | 2階の柱脚金物の倍率が1階の柱頭金物の倍率より大きくなった場合に、1階の柱頭金物に2階と同じ金物を設定するときは「1階柱は2階柱の仕様を採用する」をONにします。 (詳しくは、「1階の柱頭金物の設定方法を変更するには」を参照) |
全階実行 | 2階から順番に柱接合部の仕様を自動設定します。 他階の柱接合部の仕様が設定されている場合も自動の設定に変更されます。 |
現階のみ実行 | 現階の柱の接合部仕様を自動設定します。 1階では2階の柱接合部の仕様が設定されている場合に実行できます。 |
メモ
- 基準法に算入している準耐力壁等の倍率が1.5倍を超える場合、接合部の計算式に加算されます。
- 耐力壁が柱をまたいで入力されている場合、または耐力壁の入力で合計倍率が「7.0」を超える場合、自動設定時に確認画面が表示されます。
- 柱壁伏図(柱・通り番号など)は、「伏図モード」で表示されます。
- 接合部仕様を自動設定した後に次のことを行った場合は、再度、自動設定を行ってください。
・ 耐力壁や準耐力壁等(基準法に算入)を追加変更した場合
・ 判定方法(性能表示解説書またはN値計算法)を変更した場合
・ 使用する金物マスタを変更した場合
・ 金物マスタに登録の接合部仕様を変更した場合
通り番号についてA580470_stg_sec02
設定した通り番号は、柱接合部判定、床倍率判定、梁・小屋梁の継手・仕口判定で使用されます。
通り番号は、属性変更で名称や番号を変更できます。
柱接合部判定表で、柱の位置を通りの名称で表示するときは「芯名を使用する」をONにします。OFFのときは、通りの番号で表示されます。
柱接合部の仕様についてA580470_stg_sec03
設定した柱脚と柱頭の接合部仕様は、属性変更で変更できます。通し柱を選択した場合は、胴差と通し柱の接合部の仕様も変更できます。
「専用初期設定:柱接合部・柱の小径」で設定した柱接合部の判定方法によって、変更できる項目が異なります。
判定方法が「性能表示解説書」の場合
柱脚・柱頭の接合部の仕様 | 選択した柱に設定されている柱頭・柱脚の接合部の仕様を表示します。 「変更」をクリックして、「柱接合部仕様」ダイアログから仕様を変更できます。 |
胴差と通し柱の接合部の仕様 | 1階で選択した通し柱の、胴差と通し柱の接合部の仕様を表示します。 「変更」をクリックして、「胴差と通し柱の接合部の仕様」ダイアログから仕様(T1、T2、T3)を変更できます。 |
メモ
- 「1階柱は2階柱の仕様を採用する」をONにして接合部の仕様を自動設定したとき、2階柱脚金物と同じ接合部仕様を採用した1階の柱には「2階金物」と表記されます。
判定方法が「N値計算法」の場合
柱頭の接合部の仕様 柱脚の接合部の仕様 |
選択した柱に設定されている柱頭・柱脚の接合部の仕様を表示します。 「変更」をクリックして、「柱接合部仕様」ダイアログから仕様を変更できます。 柱頭・柱脚の仕様によって、記号の表記は次のようになります。 |
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胴差と通し柱の接合部の仕様 | 1階で選択した通し柱の、胴差と通し柱の接合部の仕様を表示します。 「変更」をクリックして、「胴差と通し柱の接合部の仕様」ダイアログから仕様(T1、T2、T3)を変更できます。 |
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N値 | Nx、Ny | X方向、Y方向のN値および計算式を表示します。 【平屋建ての柱、2階建ての2階の柱、2階建ての1階の下屋部分の柱】 「N=A1×B1-L」 【2階建ての1階の柱】 「N=A1×B1+A2×B2-L」 (詳しくは、「N値計算法について」を参照) |
出隅、平 | 出隅柱のときは「出隅」、平柱のときは「平」に設定します。 自動設定では以下のように設定されます。
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再設定 | 「柱」ダイアログの「N値」にある設定を変更したときに、柱頭、柱脚の接合部の仕様を再設定します。 | |
「専用初期設定:柱接合部・柱の小径」の「按分による計算」がOFFの場合 | ||
N値 | 2階建ての1階の柱においては、X、Y方向それぞれの上階の柱属性の変更ができます。 | |
2階柱、通り | 2階建ての1階の柱を選択したときに、この柱に連続する2階柱の属性と、柱がある通りの番号(X、Y)を表示します。2階柱の属性によって、N値の計算式のA2、B2の値が変わります。 |
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「按分しない場合、1m以内の下屋も伝達対象に入れる」がOFFの場合
上下階の柱のずれが1m以内であれば「当該柱に連続する2階柱」とみなされます(1m以内に柱が複数ある場合は、柱の両側における軸組の倍率の差が最も大きい柱が対象)。 |
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「按分しない場合、1m以内の下屋も伝達対象に入れる」がONの場合
2階柱の直下柱が無く、1m以内に下屋の柱があれば、直下柱があるものとみなして計算します。 |
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Nx、Ny | 2階建ての1階の柱を選択したときは、A2の値を変更できます。ただし、2階柱の属性が「2階柱の引抜き力が他の柱等により伝達」「なし」の場合は、A2が「0.0」となるため変更できません。 また、B2の値は、2階柱の属性が「2階出隅柱」の場合は「0.8」、その他の場合は「0.5」になります。 |
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「専用初期設定:柱接合部・柱の小径」の「按分による計算」がONの場合 | ||
N値 | 2階建ての1階の柱においては、X、Y方向それぞれの上階の柱属性の変更ができます。 | |
通り | この柱がある通りの番号(X、Y)を表示します。 | |
1階柱 | 1階柱が出隅柱のときは「出隅」、平柱のときは「平」に設定します。 | |
直上柱 | 1階の柱から見て、直上の柱の属性が出隅柱のときは「出隅」、平柱のときは「平」、引抜き力が伝達する柱がないときは「なし」に設定します。 | |
ずれている柱 | 1階の柱から見て、ずれている柱があるときは、ずれている方向がONになります。また、属性変更時にCAD画面でずれている柱を確認できます。 |
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計算 | 引抜き力が伝達されていないと判断する場合は、方向(左・右・上・下)のチェックをOFFにして、「計算」でN値を再計算します。 | |
Nx、Ny | 2階建ての1階の柱を選択したときは、A2、Cの値を変更できます。 【ずれている2階の柱より引抜き力が伝達される1階の柱】 「N=A1×B1+A2×B2+C-L」 (詳しくは、「N値計算法について」を参照) ※ Cの値は、下図のように算出されます。 |
メモ
- 管柱の追加や通し柱への変更は壁量計算ではできません。平面図で行ってください。
- 基準法に算入している準耐力壁等の倍率が1.5倍を超える場合、接合部の計算式に加算されます。
- 「1階柱は2階柱の仕様を採用する」をONにして接合部の仕様を自動設定したとき、2階柱脚金物と同じ接合部仕様を採用した1階の柱には「2階金物」と表記されます。
「柱接合部仕様」ダイアログ
柱の接合部の仕様を選択します。
接合部の仕様は、金物マスタの「柱接合部」タブで設定します。
「胴差と通し柱の接合部の仕様」ダイアログ
胴差と通し柱の接合部の仕様を選択します。
仕口の内容は、「専用初期設定:凡例-接合部(胴差と通し柱)」で変更できます。