スパン表マスタ
スパン表は、木造床小屋伏図で横架材の断面寸法を設定するときに使用するもので、受ける柱・梁との関係や材長などの条件をスパン表マスタとして登録しておきます。
スパン表マスタは、木造床小屋伏図の「専用初期設定:断面寸法」で、「断面寸法を考慮する」「スパン表」がともにONの場合に有効です。
メモ
- 「処理選択」ダイアログの「マスタ専用」タブから開きます。
スパン表の考え方A185160_spn_sec01
例えば、下図の梁(長さ5P)のせいは、スパン表を使って次のように設定されます。
スパンを分ける
- 対象の部材を、下階の柱スパンで区切ります。
この場合、下階に3本の柱があり、それぞれ「A:2P」「B:3P」のスパンに分けられます。
Aのスパンを評価する
「A:2P」のスパンには、横から受ける梁が2か所と、上から受ける柱が1か所あります。
- 「①梁・桁を受ける場合」の加点条件を計算します。
- 「②柱・小屋束を受ける場合」の加点条件を計算します。
- 「③仕口加工による欠損」の加点条件を計算します。
- 「A:2P」のスパンの加点条件を合計して評価点数を出します。
0.5 + 1.0 + 2.0 = 3.5
受ける部材 | スパン | 点数 | ヶ所 | 計算式 | 合計 |
1Pの梁 | 1P(910) | 0.0 | 1 | 0.0 × 1 = 0.0 | 0.5 |
2Pの梁 | 2P(1820) | 0.5 | 1 | 0.5 × 1 = 0.5 |
受ける部材 | 点数 | ヶ所 | 計算式 | 合計 |
柱 | 1.0 | 1 | 1.0 × 1 = 1.0 | 1.0 |
受ける部材 | 点数 | 合計 |
梁2ヶ所+柱 | 2.0 | 2.0 |
Bのスパンを評価する
「B:3P」のスパンには、横から受ける梁がなく、上から受ける柱が1か所あります。
- 「①梁・桁を受ける場合」の加点条件は「0」になります。
- 「②柱・小屋束を受ける場合」の加点条件を計算します。
- 「③仕口加工による欠損」の加点条件に「柱材のみ」はないので「0」になります。
- 「B:3P」のスパンの加点条件を合計して評価点数を出します。
0.0 + 1.0 + 0.0 = 1.0
受ける部材 | 点数 | ヶ所 | 計算式 | 合計 |
柱 | 1.0 | 1 | 1.0 × 1 = 1.0 | 1.0 |
それぞれの部材せいを求めて比較する
- それぞれの評価点数を整数(切り上げ)にして、「部材せいの設定」からせいを求めます。
- 大きい方のせいを採用します。
スパン | 評価点数(切り上げ) | せい | 採用するせい |
A:2P | 3.5 ⇒ 4.0 | 270 | 270 |
B:3P | 1.0 | 210 |
最小梁せいを上回るか確認する
軒桁、妻梁、胴差、跳ね出し梁の場合は、「最小梁せい」の値と比較します。
- 採用したせいが、「最小梁せい」を上回っている場合は、そのまま採用します。
下回っている場合は、「最小梁せい」の値になります。
スパン表をマスタに登録するA185160_spn_sec02
スパン表は、20種類のパターンをマスタとして登録できます。
なお、スパン表マスタを保存するフォルダは、「物件初期設定:マスタ環境-構造図マスタフォルダ」の「構造材」で設定します。
- 「処理選択」ダイアログの「マスタ専用」タブをクリックして「木造軸組構造」を選びます。
- 「スパン表」をクリックします。
- 「スパン表名称」で、設定するスパン表を選びます。
- 「基準ピッチ」で図面の基本モジュール、「梁幅」で部材の幅を設定します。
「基準ピッチ」を変更すると、「部材せいの設定」「①梁・桁を受ける場合」の1スパンあたりの長さが変わります。 - 「部材せいの設定」で、評価点数を考慮したスパンごとの横架材せいを設定します。
- 「①梁・桁を受ける場合」で、横から受ける梁・桁の長さに応じて加算する点数を設定します。
- 「②柱・小屋束を受ける場合」で、上から受ける柱・小屋束の本数ごとに加算する点数を設定します。
- 「③仕口加工による欠損」で、横から接合する梁・桁などの部材および上から接合する柱の仕口加工によって、欠き込む箇所の数に応じて加算する点数を設定します。
- 「最小梁せい」で、軒桁・妻梁、胴差、跳ね出し梁の最小とするせいを設定します。
評価した結果で設定したせいが小さすぎる場合は、この値に変更されます。 - 「上書」をクリックして、マスタに保存します。
- 「OK」をクリックして、スパン表マスタを終了します。
- 木造床小屋伏図の「専用初期設定:断面寸法」で、部材の自動配置や断面寸法の一括設定で使用するスパン表を各部材ごとに設定します。
スパン | 横架材を下階の柱間で区切ったスパンごとに評価します。 |
評価点数 | 「①梁・桁を受ける場合」「②柱・小屋束を受ける場合」「③仕口加工による欠損」の各項目を評価した点数の合計で、小数点以下は切り上げます。 |
メモ
- ダイアログ上部のボタンで、マスタの名称変更や複写を行うことができます。
タイプ名称入力 | スパン表マスタの名称を変更します。 | |
タイプ別複写 | 現在開いているスパン表に、別のタイプのスパン表を複写します。 をクリックし、複写元のスパン表を選んで「OK」をクリックすると、複写元の内容が現在のスパン表に上書き複写されます。 |