耐震診断プログラムについて
ZERO耐震診断の適用範囲・診断ルートや、物件データの表示の違いについて解説します。
ZERO耐震診断でできること
■ 適用範囲
ZERO耐震診断の適用範囲は、次の通りです。
※ 参考:一般財団法人 日本建築防災協会「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」
項目 | 内容 | 備考 |
構造 | 木造、2×4、混構造(3階まで) | 混構造については、1階が非木、2階以上が木造、2×4の場合に、木造、2×4部分のみが対象 |
診断法 | 一般診断法(方法1) ※ 精密診断法は適用外 |
・「方法1(壁を主な耐震要素とした住宅)」のみ計算可能 ・「方法2(太い柱やたれ壁を主な耐震要素とする伝統的構法で建てられた住宅)」は計算不可 |
必要耐力の算出法 | 略算法と精算法 | 略算法:表3.1を用いた計算方法 総2階を想定した方法 精算法:各階の床面積比を考慮した方法 |
配置低減計算方法 | 耐力要素の配置等の低減係数算出は4分割法と偏心率法 | |
その他の耐震要素の耐力 | 「有開口壁長による算定」による (「無開口壁率による算定」は未対応) |
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建物の形状 | 概ね整形とみなせる(主として壁がX軸、Y軸にのる)平面形状で、床が連続かつ同一階高とみなせる建物形態を対象とする。階高は3m程度。 | スキップフロア、傾斜敷地は対象外 |
■ 診断方法
ZERO耐震診断では、壁を主な耐震要素とした住宅を対象とする「方法1」の一般診断を行うことができます。
・・・ZERO耐震診断で行うことができるフロー・計算を示します。 | |
・・・ZERO耐震診断ではできないフロー・計算を示します。 |
メモ
- 多雪区域の診断について、無積雪時と積雪時とでそれぞれ診断を行ってください。低い方の評点を当該建物の上部構造評点とします。
■ データの流れ
ZERO耐震診断では、以下の流れで「方法1」の一般診断を行います。
メモ
- 一般診断法による調査結果をもとに、耐震補強を行います。(精密診断は未対応です。)
- 計画図では仕様不明の壁を取り扱うことはできません。
耐震診断・補強計画の物件データについて(現況図・計画図)
■ 耐震診断は、通常物件データ、現況図物件データ、計画図物件データで診断が可能です。
これらのデータは「物件選択」の「物件No」欄で確認できます。また、物件データによって「耐震診断」の専用コマンドは以下のような表示の違いがあります。
メモ
- 通常物件データを、現況図物件データや計画図物件データにする場合は、物件を選んで右クリックで表示されるメニューから変更できます。
「物件選択」の「マネージャーで物件データを管理している場合」も参照してください。
■ 補強計画は、計画図物件データで可能です。
計画図物件データと現況図物件データには以下のような違いがあり、よって補強計画を行うときは計画図物件データを使用します。
計画図でのみ可能な機能 | 解説ヘルプ |
壁番号自動配置で現況図と番号を揃える | 「概要設定」の「図面や診断書の描画を設定する」を参照 |
新設壁には二重丸、変更壁には一重丸を描画 | 「壁番号自動配置/壁一覧表配置」の「配置した耐力壁に壁番号を割り当てる」を参照 |
新設・変更壁については、診断書に赤字で記載 | 「診断結果」の「診断書の柱壁配置図について」を参照 |
壁一覧表が現況との比較で表現 | 「壁番号自動配置/壁一覧表配置」の「壁一覧表を配置する」を参照 |
補強金物数量表のコマンドが選択可能 | 「補強金物数量表」を参照 |
■ 計算対象外の階、地下階・4階以上・PH階は、耐震診断の対象外です。
地下階あり、または4階階以上、またはPH階ありで、耐震診断の図面を開いた場合は以下のような確認画面が表示されます。