有効建具(個別)/有効建具(一括)
有効面積を計算する建具を設定して、建具有効面積表を作成します。

個別に建具を指定して建具有効面積表を作成するA520370_ttg_sec01
区画に対して個別に有効建具を設定し、各モード(採光、換気、排煙)の建具有効面積表を作成します。
縁側の建具やトップライト、ドーマなどが居室の有効採光面積の計算基準となる場合、このコマンドで個別に建具と区画を設定します。
「建具」メニューから「有効建具(個別)」を選びます。
- 建具をクリックします。
- 区画をクリックします。
- 建具有効面積表の配置位置をクリックします。
メモ
- 内部建具を有効建具に設定する場合は、「専用初期設定:チェック対象」の「有効面積」の「内部建具有効」をONにしてから有効建具に設定します。また、建具有効面積表を属性変更して、低減措置をとる必要があります。
- 手順2で既に有効建具として設定されている建具を指定すると、確認画面が表示されます。新たに指定した区画に対する有効建具に設定するときは「はい」、処理を中止するときは「いいえ」をクリックします。

建具有効面積表を一括作成するA520370_ttg_sec02
現在開いている階のすべての区画に対して、一括して有効建具を設定し、建具有効面積表を自動作成します。
「建具」メニューから「有効建具(一括)」を選びます。
「専用初期設定:自動」の「有効建具」や「専用初期設定:図面作成」の「建具有効面積表」の設定をもとに、有効建具の設定と建具有効面積表の配置が自動処理されます。- 「区画判定一覧」ダイアログで各区画に対する判定を確認して、「OK」をクリックします。
「専用初期設定:チェック対象」の「一括作成後判定」がOFFのときは表示されません。
メモ
- 再度、一括作成を行うと、有効建具消去の確認画面が表示されます。既存データの有効建具を消去して新たに自動設定するときは「はい」、処理を中止するときは「いいえ」をクリックします。
- 複数の建具が近い位置にあるときなどは、建具有効面積表が重なって自動作成されます。そのときは、建具有効面積表を選択したときに表示されるトラッカーを使って移動や回転を行います。

建具有効面積表と水平距離の描画A520370_ttg_sec03
建具有効面積表を配置すると、遮蔽物端部から敷地境界線までの水平距離が入力されます。
水平距離の描画
水平距離には、開口部が道路や公園等に面する場合の緩和措置が考慮されています。また、遮蔽物が屋根の場合、葺き材の厚さが考慮されます。
(詳しくは、「採光補正係数について」を参照)
一括作成の場合は、屋根やバルコニーなどの遮蔽物の領域とその名称も入力されます。遮蔽物によって、領域の線種が異なります。
建具有効面積表のレイアウト
建具有効面積表に表示される項目やレイアウトは「専用初期設定:図面作成」の「建具有効面積表」で設定します。一部の設定は建具有効面積表の属性変更で変更できます。
建具有効面積表の小数点以下の桁数や丸めは「専用初期設定:丸め」の「有効面積」で設定します。
建具有効面積表の文字のフォント、スタイルは「共通初期設定:フォント」の「表・タイトル」「表・項目」「表・文字」の設定が連動します。

有効開口寸法についてA520370_ttg_sec04
建具、ドーマ、トップライト、3D部品の有効開口面積は、次のように計算されます。
採光の有効開口面積 = サッシ幅 × サッシ高さ × 採光補正係数
- 異形形状建具の異形部分の有効面積は「異形部分の幅×高さ×1/2」で算出します。台付円弧形状の円弧部分も同様です(高さ=建具高-台高さ)。
- 建具の面積は採光に有効な面積(ガラス部分)のみです。障子枠は「専用初期設定:自動」の「低減寸法(左右)」「低減寸法(上下)」で引きます。
換気・排煙の有効開口面積 = サッシ幅 × サッシ高さ(排煙の場合は排煙有効高を考慮)× 有効係数
- 回転、すべり出し、突き出し、倒し窓の場合は、「専用初期設定:法規(換気排煙)」の「横軸窓の開き角度」から有効係数が算出されます。縦すべり出しや縦回転窓の場合は、「縦すべり窓にも開き角度を採用」がONのときに有効です。
【換気】90°≧α≧45° のとき「1/1」、45°>α>0° のとき「α/45°」
【排煙】90°≧α≧45° のとき「1/1」、45°>α>0° のとき「α/45°」
「縦すべり窓にも開き角度を採用」がOFFの場合の縦軸窓は、「開き・開口」の有効係数を参照します。 - 上げ下げ窓の有効係数は、「専用初期設定:法規(換気排煙)」の「有効係数」の「上げ下げ」を参照します。シングルハング(上部が固定)の場合は、排煙計算のみ有効係数が「1/1」になります。
- 平面図でガラスブロックが入力されている場合は、ガラスブロックをFixとして有効面積を算出します。
- 屋根伏図でトップライトが入力されている場合は、有効係数を「1」として有効面積を算出します。

採光補正係数についてA520370_ttg_sec05
採光補正係数は、「水平距離(D)/垂直距離(H)× α - β」で求めます。
水平距離(D)、垂直距離(H)
水平距離は開口直上部から隣地境界線または同一敷地内の他の建築物までの距離、垂直距離は開口直上部から建具高さの中心までの距離になります。
遮蔽物(屋根・パラペット・手摺)によって、自動で算出される距離が変わります。
遮蔽物が「屋根」の場合 |
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【D】屋根の軒先から隣地境界線までの距離 【H】屋根の軒先から建具高さの中心までの距離 ※ 樋の出を考慮するには、「専用初期設定:自動」の「有効建具」の「樋の出考慮」をONにします。「物件初期設定:屋根」の「樋の出」の値が考慮されます。 |
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遮蔽物が「パラペット」の場合 |
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【D】パラペットの外壁(パラペットの外壁仕上厚+下地厚+下地オフセット厚)から隣地境界線までの距離 ※ パラペットに笠木を取り付けている場合は、外壁+笠木の先端(出幅=30mm固定)からの距離になります。 【H】パラペットの天端から建具高さの中心までの距離 ※ パラペットに笠木を取り付けている場合は、笠木の天端からの距離になります。 |
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遮蔽物が「手摺(バルコニーの外部手摺)」の場合 |
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【D】手摺壁の躯体外面(外壁の仕上げ厚は含まない)から隣地境界線までの距離 ※ 手摺子のみの場合は、手摺子外面からの距離になります。 【H】手摺壁の天端から建具高さの中心までの距離 ※ 手摺子がある場合も同様です。 ※ 手摺子のみの場合は、手摺子の天端からの距離になります。 |
メモ
- 配置図(1面)の敷地の境界線属性を参照して、開口部が河川や公園に面する場合は、公園等の幅の1/2のラインを隣地境界線とみなし、水平距離に「公園等幅/2」が加算されます。
開口部が道路に面し、さらにその向こうに公園等がある場合は、道路幅に「公園等幅/2」が加算されます。(平成12年6月1日建設省住指発第682号通達)
川・公園の幅には、敷地属性の斜線タイプ一覧の値が連動します。 - 窓の両端の中心点から垂直水平のラインを水平距離の算出に使用します。
コーナー建具の場合は、1-2点間、2-3点間のそれぞれの中心座標から敷地までの距離を算出し、D/H が小さい方を採用します。 - トップライトの場合は、トップライトの中心位置において検索された遮蔽物の水平距離と垂直距離で採光補正係数を算出します。垂直距離はトップライトの中心位置の高さで計算されます。
α、β
α、βには、「専用初期設定:法規(採光)」の「用途地域設定」の設定が連動します。
用途地域 | α | β |
住居系地域 | 6 | 1.4 |
工業系地域 | 8 | 1.0 |
商業系地域・指定なし | 10 | 1.0 |
採光補正係数の低減措置
内部建具を有効建具とするときは、「有効面積」ダイアログの「採光補正係数」の「低減措置」をONにします。このとき、計算値「水平距離(D)/垂直距離(H)×
α - β」に 7/10 が掛けられます。
採光補正係数の調整
計算値「水平距離(D)/垂直距離(H)× α - β」をもとに、次のような調整がかけられて採光補正係数が決定します。
採光補正係数の調整 | 例 |
計算値が3.0以上の場合は、3.0にします。 | 10.47 → 3.00 |
対向敷地境界線が道路の場合、計算値が1.0未満の場合は、1.0にします。 | 0.36 → 1.00 |
対向敷地境界線が道路以外の場合、水平距離が許容水平距離以上で、かつ計算値が1.0未満となる場合は、1.0にします。 | 0.36 → 1.00 |
対向敷地境界線が道路以外の場合、水平距離が許容水平距離未満で、かつ計算値が負の数となる場合は、0.0にします。 | -0.37 → 0.00 |
トップライトは3.0固定にします。 | 505.15 → 3.00 |
メモ
- 許容水平距離は、「専用初期設定:法規(採光)」の「用途地域設定」の設定が連動します。
- 有効面積表にて、採光の(補正係数)でみられる「→」は、この調整を示しています。
用途地域 | 水平距離 |
住居系地域 | 7m |
工業系地域 | 5m |
商業系地域・指定なし | 4m |

建具有効面積表の属性を変更するA520370_ttg_sec06
建具有効面積表を属性変更すると、次のダイアログが表示されます。開口面積の計算根拠を確認したり、設定内容を変更することができます。
有効開口寸法
採光/換気/排煙 | チェックの対象にするときはONにします。 |
計算式 | 建具の有効高や有効幅を変更した場合、変更後の寸法値で再計算して最新の計算式を表示します。 |
採光/換気/排煙の有効開口面積と計算式 | 指定した建具、ドーマ、トップライト、3D部品の各モード(採光、換気、排煙)の有効開口面積を表示します。 有効開口面積を変更するには、モード(採光、換気、排煙)ごとの計算式を選択し、右クリックして「詳細」を選びます。 |
採光
「有効開口寸法」の「採光」がONのときに設定できます。
遮蔽物 | 建具、ドーマ、トップライトから検索された遮蔽物を表示します。 遮蔽物になりえるものは、屋根、パラペット、外部手摺(バルコニーなど)です。 |
|
再計算 | 面積表を配置した後に建具、屋根、敷地領域などを変更した場合は、クリックして有効面積を再計算します。 | |
水平距離 垂直距離 |
開口直上部から隣地境界線または同一敷地内の他の建築物までの距離(D)、開口直上部から建具高さの中心までの距離(H)を表示します。値の変更も可能です。 | |
遮蔽物高 | 遮蔽物の高さをGL基準で表示します。 | |
建具高中心高 | 建具の最大矩形の高さの中心をGLからの高さで表示します。 | |
採光補正係数 | 関係比率 | 「水平距離(D)/垂直距離(H)」の値を表示します。 |
計算値 | 「関係比率 × α - β」の値を表示します。 内部建具を有効建具とするときは「低減措置」をONにします。このとき、計算値に 7/10 が掛けられます。 |
|
採光補正係数 | 計算値をもとに、調整がかけられて採光補正係数が決定します。 |
排煙
「有効開口寸法」の「排煙」がONのときに設定できます。
建具上枠内法高(天井-) | 天井から建具の上端までの距離を表示します。 |
排煙有効内法高 | 建具における排煙に有効な高さを表示します。 |
建具寸法
建具の情報を表示します。
建具の属性(建具絵柄、建具長、建具高など)を変更する場合は「建具属性」をクリックします。
区画属性
区画の情報を表示します。
(詳しくは、「区画の属性を変更する」を参照)
列幅、項目名をLVSで表示、二重線表現
建具有効面積表のレイアウトを設定します。
(詳しくは、「建具有効面積表のレイアウトを変更するには」を参照)

建具有効面積表の有効開口寸法を変更するA520370_ttg_sec07
「有効面積」ダイアログの「有効開口寸法」でモード(採光、換気、排煙)ごとの計算式を選択し、右クリックして「詳細」を選ぶと、「有効面積詳細設定」ダイアログで有効開口寸法を変更できます。
有効開口寸法 | 建具の有効開口部分の基本形状と各寸法が表示されます。有効開口部分の寸法を変更するときは、寸法の欄をダブルクリックして値を入力します。 |
表示 | 「有効開口寸法」の建具の表示タイプを切り替えます。建具形状を表示するときは「形状」、建具種別を表示するときは「平面」を選びます。 |
簡易 | 欄間付きや連窓など建具形状が複数の開口部に分かれている場合、無目や方立も建具の一部と考慮して有効面積を計算するときはONにします。![]() |
取込 | 「有効開口寸法」で設定した値から低減寸法を引いた値で有効面積を計算します。 低減寸法は、「専用初期設定:自動」の「有効建具」の「低減寸法(左右)」「低減寸法(上下)」で設定します。 |