専用初期設定:配置診断
重心、剛心、壁心、壁配置診断について設定します。
メモ
- 木造壁量計算と木造壁量計算2025の設定方法の違いについては「2025年4月 法改正における床面積・見付面積の違いについて」の「壁配置診断の検討」行を参照してください。
壁配置診断の判定値を変更するにはA580210_ssd_sec01
「壁診断」メニューの「壁配置診断表」で使用する判定値を変更するには、「優良」「良」「普通」のセルをダブルクリックして値を入力します。
壁量安全率、偏心率、壁心率、直下壁率の値が、設定値以上で「普通」「良」「優良」に判定されます。
壁量安全率 | 床面積や見付面積から計算される必要壁量に対して、設計された耐力壁の有効長さがどの程度であるかの割合です。 壁量安全率 = 設計された耐力壁の長さ ÷ 必要壁量 |
偏心率 | 剛心が重心からどの程度離れているか(偏っているか)を、建築物の大きさに対する相対的な割合で表します。 ※ 求め方は下記参照 |
壁心率 | 偏心率と同様、建築物の構造的な不安定さを表す割合です。 ※ 求め方は下記参照 |
直下壁率 | 2階の耐力壁の全長に対する、その中で1階の耐力壁上に位置するものの長さの割合です。 直下壁率 = 2階の耐力壁で1階の耐力壁の上にある耐力壁長 ÷ 2階の耐力壁全長 ※ 耐力壁長 = 耐力壁長さ × 倍率 |
偏心率の求め方
壁心率の求め方
メモ
- 壁心は、剛心とは異なる計算方法で算出されます。重心と剛心のみで判定するのではなく、壁心と剛心の両方の観点から検討することで、より正確な結果の算出を目的にしています。
壁心と剛心が共に重心の位置に近いと、構造の安定性が高いということになります。
重心座標を算出する係数を変更するにはA580210_ssd_sec02
重心座標を算出するための各階の係数は、「重心」で設定します。
重心座標の算出方法は、一般財団法人 日本建築防災協会発行の「木造住宅の耐震精密診断と補強方法(改訂版)」の仕様を参考にしています。
積雪係数について
積雪を考慮する場合は、「積雪係数」に積雪量1mあたりに乗ずる数値を設定します。
「専用初期設定:必要壁量-基準法」または「専用初期設定:必要壁量-性能表示」の「積雪」で「多雪区域」を選択している場合、その「積雪量」によって積雪荷重が次のように計算されます。
積雪荷重(WS)= 積雪量 × 積雪係数
なお、現在の参考文献では積雪に関する記載がないため、「積雪係数」の初期値は「0」にしています。
メモ
- 以前、参考文献としていた公益財団法人 日本住宅・木材技術センターの仕様では積雪に対する考慮が行われていたため、この設定を残しています。
重心座標を求める式
① | 区画重量の算出で各区画に乗ずる数値 β を「β= WD + WS」の計算式によって求めます。 ※ WD の値は変更可能で、変更する場合はセルをダブルクリックして値を入力します。 |
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② | 各階 n の床面積 Aj に、乗ずる数値 β をかけたものを、区画重量 Wjnとします。 「Wjn = β × Ajn」 ※ β は、屋根直下階と屋根直下以外の階では値が異なります。
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③ | X方向、Y方向ごとに、原点から区画中心までの距離(xj、yj)を Wjn にかけたものを Wjxn、Wjyn
とします。 「Wjxn = Wjn × xj」「Wjyn = Wjn × yj」
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④ | 各階の重心座標(Gx、Gy)を求めます。
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偏心率の範囲を描画するにはA580210_ssd_sec03
「壁診断」メニューの「重心・剛心・壁心」で、重心、剛心、壁心の位置にマークを自動配置すると同時に、偏心率の優良・普通の範囲を描画するときは、「偏心率範囲描画」をONにします。
また、その範囲を塗り潰すときは、「優良」「普通」をONにして塗り潰し色を設定します。
メモ
- 偏心率(Rex、Rey)の範囲は、偏心率の優良・普通の数値となるように、偏心距離(Ey、Ex)を算出し、重心を中心に Ey2、Ex2 を一辺とした長方形を描画しています。
重心、剛心、壁心のマークのサイズを設定するにはA580210_ssd_sec04
「壁診断」メニューの「重心・剛心・壁心」で入力する重心、剛心、壁心のマークの大きさは、「サイズ」で設定します。
それぞれの円マークの直径を入力します。
剛心、偏心率、壁の釣り合い判定でN値計算用の倍率を使用するにはA580210_ssd_sec05
申請機関から制震ダンパー用にN値倍率用の引き抜き力を使用した剛心、偏心率、壁の釣り合い判定が求められる場合に使用します。
「剛心・偏心率・壁釣り合い判定にN値用壁倍率で計算する機能を追加」をONにすると、各ダイアログでN値倍率を使用する項目が表示されます。
・「耐力壁」ダイアログに「N値用壁倍率(剛心)」が表示されます。
・「重心・剛心・壁心」ダイアログに「N値用壁倍率(剛心)」が表示されます。
・「偏心率算定表」ダイアログに「N値用壁倍率」が表示されます。
・「壁配置診断表」ダイアログに「N値用壁倍率」が表示されます。
・「側端部分存在壁量算定表」ダイアログに「N値用壁倍率」が表示されます。
・「壁釣り合い判定表」ダイアログに「N値用壁倍率」が表示されます。
メモ
- 制震ダンパー用のN値倍率は、耐力壁凡例の設定で壁構造を「その他(トータル倍率7まで)」「その他」を選択し、「N値用倍率」をONにして設定します。