準耐力壁等
準耐力壁等を入力、変更、または削除します。
入力(削除)と同時に、作業階の判定の結果がダイアログに表示されます。判定結果がOKになるように準耐力壁等を追加、または削除します。
準耐力壁等を入力するA580520_jnt_sec01
- 「基準法モード」の「耐力壁」メニューから「準耐力壁等」を選びます。
または、「性能表示モード」の「耐力壁」メニューから「準耐力壁等」を選びます。 - 「準耐力壁等」ダイアログの「基準法判定」「性能表示判定」で、現在の壁量判定の結果を確認します。
判定がNGのときは、準耐力壁等を追加入力、または倍率の高い準耐力壁等に入れ替えます。 - 「左No」「右No」で準耐力壁等を選びます。
始点から終点に向かって左側の準耐力壁等が「左No」、右側が「右No」になります。 - 「開口部取得」がONになっていることを確認します。
※入力時に自動で開口部サイズを取得して準耐力壁等を入力します。 - 準耐力壁等の始点、終点をクリックします。
メモ
- 基準法モードで入力した準耐力壁等は、基準法の壁量として加算されます。性能表示モードで入力した準耐力壁等は、こちらの手順を行うことで基準法の壁量として加算されます。
- 準耐力壁等の表記については、「準耐力壁等を自動配置する」を参照してください。
- 初期状態では、準耐力壁等の入力で少しでも既存の準耐力壁等と重なると、警告メッセージが表示されて入力ができないようになっています。
重複入力を可能にしたい場合は、「専用初期設定:耐力壁」の「耐力壁の重複入力」をONにします。ただし、このとき、壁量計算やN値計算で注意が必要です。
(詳しくは、「耐力壁の重複入力について設定するには」を参照)
準耐力壁等を基準法の壁量として算入する(性能表示モード)
性能表示モードで入力された準耐力壁等を基準法の存在壁量として算入する場合には、下記の手順を行います。
- 「性能表示モード」で「属性変更」から入力済みの準耐力壁等を選択します。
- 「基準法に算入」をONにして「OK」をクリックします。準耐力壁等が基準法の壁量に加算されます。基準法の「モード切替(耐力壁)」で準耐力壁等が表示されます。
メモ
- 準耐力壁等の基準法への算入については、各階・各方向の地震力必要壁量の1/2以下の範囲内で任意に算入することができます。
準耐力壁等壁量が1/2に以下であるかは、「準耐力壁等割合確認表」コマンドで確認・明示してください。2025年4月法改正については、詳しくはこちらを参照してください。 - 壁釣り合い算定(四分割法)において、準耐力壁等は存在壁量に算入しません。
- 基準法に算入した準耐力壁等の倍率1.5倍を超える場合には当該準耐力壁等の倍率でN値計算を行います。
- 基準法に算入していない準耐力壁等(性能表示モードで入力された準耐力壁等のうち「基準法に算入」がOFF)は、N値計算に算入しません。
準耐力壁等、耐力壁を変更するには(性能表示モード)A580520_jnt_sec02
- 「準耐力壁等」ダイアログの「変更」をクリックします。
「変更」ダイアログに変わります。 - 変更する準耐力壁等または耐力壁をクリックします。
- 「選択」ダイアログで、耐力壁と準耐力壁等のどちらに変更するかを選んで「OK」をクリックします。
- 「耐力壁」を選んだ場合は、「耐力壁属性変更」ダイアログで耐力壁記号をクリックして変更します。
「準耐力壁等」を選んだ場合は、「準耐力壁等属性変更」ダイアログで「左No」「右No」を変更します。
準耐力壁等、耐力壁を削除するにはA580520_jnt_sec03
- 「準耐力壁等」ダイアログの「削除」をクリックします。
「削除」ダイアログに変わります。 - 削除する準耐力壁等または耐力壁をクリックします。
- マウスカーソル部分に「YES」「NO」が表示されるので、削除するときはマウスの左ボタン、キャンセルするときはマウスの右ボタンをクリックします。
メモ
- 汎用の削除コマンドでも準耐力壁等または耐力壁を削除できますが、「削除」ダイアログでは削除しながら重心・剛心の位置や性能表示存在壁量などを確認することができます。
「準耐力壁等」ダイアログの機能A580520_jnt_sec04
耐力壁/準耐力壁等 | 入力の対象を準耐力壁等から耐力壁に切り替えます。「耐力壁」ダイアログが開きます。 または耐力壁から準耐力壁等に切り替えます。 |
変更 | 選択した準耐力壁等または耐力壁を、別の耐力壁または準耐力壁等に変更します。「変更」ダイアログが開きます。 |
削除 | 選択した準耐力壁等または耐力壁を削除します。「削除」ダイアログが開きます。 |
柱芯ピック | 準耐力壁等の入力で、自動的に柱の芯をピックするときはONにします。 柱芯にピックできる柱の種類は、通し柱、管柱、丸柱、半柱、床柱(角・前丸・丸)です。 |
開口部取得 | 入力時に自動で開口部のサイズを取得します。「専用初期設定:準耐力壁等」の「開口高補正」ONの場合には補正されたサイズを取得します。 |
基準法に算入 | 性能表示モードで表示されます。チェックONの準耐力壁等を基準法の壁量に加算します。 ※基準法モードで入力された準耐力壁等はチェックONとなり、性能表示モードの「属性変更」ダイアログからON/OFFの確認ができます。 |
耐力壁線チェック(簡易) | 準耐力壁等を入力しながら存在壁量と耐力壁線の判定結果を確認するときはONにします。このとき、画面に各耐力壁線の存在壁量と判定結果が表示され、判定結果がNGの場合は赤字で表示されます。 |
左No、右No | 始点から終点に向かって左側、右側に入力する準耐力壁等を選択します。選択した準耐力壁等の材料名称と倍率が表示されます。 なお、使用する準耐力壁等は「専用初期設定:凡例-準耐力壁等」で登録します。 |
開口部 下端高、高さ | 開口部の下端高、開口部高さを設定します。 |
左下地貼 下端高、高さ 右下地貼 下端高、高さ |
始点から終点に向かって左側、右側に入力する準耐力壁等の下地貼の下端高、高さを設定します。 |
左実高 右実高 |
始点から終点に向かって左側、右側に入力する準耐力壁等の実高さを表示します。 |
算定用開口高 | 「専用初期設定:性能表示」の「開口高補正」がONの場合、開口部高さを補正した値で表示します。OFFの場合は、開口部高さを表示します。 |
横架材間内法 | 横架材間の内法寸法を設定します。初期値は「専用初期設定:性能表示」で設定した値が連動します。 |
倍率 | 倍率は、以下のように算出されます。 【木ずり等打ち付けた壁(片面)の場合】 「倍率 = 0.5 × 準耐力壁等の高さ ÷ 横架材間内法」 【木ずり以外の場合】 「倍率 = 材料の倍率 × 0.6 × 準耐力壁等の高さ ÷ 横架材間内法」 ※ 準耐力壁等の高さは「左実高」「右実高」を使用します。 ※ 準耐力壁等の各材料の倍率は、「専用初期設定:凡例-準耐力壁等」で設定します。 |
長さ | 属性変更の対象となっている準耐力壁等のX方向、Y方向の長さを表示します。 |
性能表示判定 | 作業階のX方向、Y方向について、性能表示存在壁量、地震力に対する性能表示必要壁量、風圧力に対する性能表示必要壁量、性能表示壁量判定の結果、耐震等級、耐風等級を表示します。 ※「物件初期設定:性能・地域条件-目標等級」の「耐震等級」または「耐風等級」が「-」「1等級」の場合、「必要(地)」または「必要(風)」が表示されなくなります。 |
壁余裕度(耐震) 壁余裕度(耐風) |
X方向、Y方向の性能表示必要壁量に対する性能表示存在壁量の割合を表示します。 「壁余裕度 = 性能表示存在壁量 / 性能表示必要壁量」 壁余裕度が1.0を超えると、性能表示壁量判定がOKになります。 |
壁釣り合い | 建物両側の側端部分の存在壁量を比較して、バランスよく配置されているかの判定結果を表示します。 |
準耐力壁等の条件A580520_jnt_sec05
準耐力壁等とは、準耐力壁と腰壁等(たれ壁・腰壁)の 2種類のことを意味します。
準耐力壁 | 横架材間に面材が貼られておらず、横架材間で一部の力しか伝達できない壁 |
腰壁等 | 腰壁・たれ壁になっており、横架材間に面材が貼られておらず、横架材間で一部の力しか伝達できない壁 |
準耐力壁の条件
- 実高さ(B)≧ 横架材間内法(E)× 0.8 のもの
腰壁等(たれ壁・腰壁)の条件
- 腰壁等の長さ ≦ 2000㎜
- 一続きの面材の高さが360㎜以上(360㎜未満の場合は0とする)
(C-A)または(A+B-C-D)≧ 360㎜ - 両側に同種の木ずり、または同種の面材の耐力壁、準耐力壁がある
同種と判断する壁構造の組み合わせは、次表のとおりです。耐力壁 準耐力壁 木ずり片面 木ずり等打ち付けた壁(片面) 木ずり両面 大壁 構造用合板(耐候措置無し) 構造用合板(耐候措置無し) 大壁床勝ち 構造用合板 耐候性無 JAS構造用合板 JAS構造用合板 大壁床勝ち 構造用合板 構造用パネル(OSB) 構造用パネル パーティクルボード又は構造用パネル パーティクルボード 石膏ボード(屋内壁) 石膏ボード(屋内壁) 石膏ボード 大壁 強化石膏ボード 強化石膏ボード 大壁床勝ち 強化石膏ボード 大壁 構造用パーティクルボード 構造用パーティクルボード 大壁床勝ち 構造用パーティクルボード 大壁 構造用MDF 構造用MDF 大壁床勝ち 構造用MDF 真壁-受材 構造用MDF
メモ
- 腰壁等の実高さは「(C-A)+(A+B-C-D)」になります。
- 開口部下端高(C)< 下地貼下端高(A)となる場合は、C=Aとして下地貼下端高~開口部の上端までを開口部高さ(D)とします。
- 腰壁等とみなす最大長さは、「専用初期設定:性能表示」の「最大長さ」 で設定します。
- 腰壁等は、左右別々に準耐力壁等とみなす判断が行われ、条件を満たしたほうの準耐力壁等の倍率が有効となります。
- 腰壁等が連続する場合、倍率が「0」になります。これらの腰壁等を有効にするには、腰壁等の準耐力壁を削除し、1続きで準耐力壁を入力して開口部の高さを調整してください。