自動配置(かんたん設定)
配置図(1面)または平面図(1階)の方位マークと、平面図、屋根伏図から熱的境界に必要なデータを参照データとして読み込み、熱的境界や居室区画を自動配置します。
自動配置は、「かんたん設定」と「詳細設定」の2つの方法があります。
かんたん設定 | 断熱仕様を指定して、少ない設定で手軽に自動配置を行うモード |
詳細設定 | 部位ごとに関連する専用初期設定の画面を開き、断熱仕様を設定して自動配置を行うモード ※ 大壁と真壁がある場合や、3Dカタログ以外の建具を使用してガラス仕様を方位別に設定する場合、 玄関の基礎とユニットバスの基礎が違う場合などに使用します。 |
参照データを読み込んで部材を自動配置する(かんたん設定)
- 「自動配置」をクリックします。
- 「自動配置条件設定」ダイアログで「かんたん設定」をONにします。
- 地域を確認します。
- 「作成階」で熱的境界を配置する対象の階を選択します。
- 「屋根/天井」で断熱工法を選択します。
- 「天井」の断熱仕様を確認します。
- 「壁」の断熱仕様を確認します。
仕様を変更するときは、仕様名称をダブルクリックして変更します。
※「断熱仕様選択」ダイアログでは仕様の登録もおこなえます。登録方法については「仕様」メニューの「断熱仕様登録」を参照してください。
※ ダイアログの設定項目にマウスを合せると、断熱部分が赤色で表示されます。 - 同様にして、「床」「バルコニー」「外気に接する床」も仕様を確認します。
- 「開口部」で建具の仕様を3Dカタログ仕様かZERO建具仕様のどちらで計算するかを設定します。
「建具の3Dカタログ仕様を使う」がONの場合は内窓のZERO仕様、OFFの場合は窓・戸全てのZERO仕様を設定します。
※ 内窓の仕様は「専用初期設定:建具-建具仕様」の内窓の評価方法によって設定する内容が変わります。 - 「基礎」の仕様を設定します。
※「別々」と「一体」によって「断熱仕様選択・基礎」ダイアログの表示が変わります。 - 「完了」をクリックすると、自動配置が実行されます。
※ 次回、「自動配置条件設定」ダイアログを開くと今回設定した内容が表示されます。
メモ
- 「専用初期設定:自動配置条件」の「部材配置」でONの部材が自動配置されます。
- 「専用初期設定:建具-建具仕様」の「平面図で内窓がある場合、内窓付きとして配置」がONで、内窓の仕様が未設定の状態で内窓付き建具に熱的境界を自動配置すると、以下のメッセージが表示され、仕様が未設定の熱的境界(建具)が配置されます(Ver.9.1以前のデータを読み込んだ場合など)。
内窓の仕様を設定して配置し直すか、熱的境界(建具)の属性変更で仕様を設定してください。 - RC/S/SRC造の物件においては、柱や梁等の構造熱橋データは自動配置されないため、「境界」メニューの「構造熱橋」で入力する必要があります。
- 熱的境界または参照データが入力されている場合、削除の確認画面で「はい」を選ぶと、現在の熱的境界と参照データを削除して再配置します。
ただし、構造熱橋Hと構造熱橋Lの熱的境界は自動配置しないので削除されません。 -
リフォームプランの計画図物件の場合、「断熱リフォーム区画考慮(部分断熱)」が表示されます。
ON:平面で指定されている区画(部分断熱)のみを対象として自動配置します。
OFF:プラン全体を対象として自動配置します。
「自動配置条件設定」ダイアログの機能(かんたん設定)
地域 | 「物件初期設定:性能・地域条件-地域」設定されている省エネ地域が表示されます。 省エネ地域を変更すると、「物件初期設定:性能・地域条件-地域」の省エネ地域も変更されます。 |
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一戸建ての住宅 /共同住宅等 |
「専用初期設定:高さ」の「住宅種類」の設定が表示されます。 「物件初期設定より」がONの場合は、「物件初期設定:性能・地域条件-建物物事項」の「建て方」の設定を参照します。 物件初期設定よりOFFの場合は、「一戸建て」または「共同住宅等」を選びます。 |
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かんたん設定/ 詳細設定 |
設定モードを指定します。緑色が選択状態です。 | |||
作成階 | 全ての階 | 平面図に入力データがあるすべての階に熱的境界を配置します。 | ||
現在の階 のみ |
自動配置を実行した階のみ熱的境界を配置します。 | |||
屋根/天井 | 屋根と天井のどちらの断熱工法で計算するか設定します。 ・仕様名称をダブルクリックして仕様の変更・登録することができます。 仕様の登録方法については、「断熱仕様登録」を参照してください。 |
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【屋根断熱工法の場合】
「高さ」をクリックして、屋根断熱時、断熱材の下端が垂木より下がる場合、垂木下端から断熱材下端までの距離を設定します。 |
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【天井断熱工法の場合】
床から天井までの高さを設定します。 「天井高」は、軒桁一般部、壁、胴差一般部の高さの算出に使用されます。 ・「平均」がONの場合は、天井高に1階と1階以外の階の平均的な天井の高さを入力します。 「熱的境界(壁)」ダイアログの「高さ」の初期値になります。 ・「部屋属性より」がONの場合は、平面図に入力されている部屋から天井高を取得します。 |
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壁 | 壁の断熱仕様を設定します。 ・仕様名称をダブルクリックして仕様の変更・登録することができます。 仕様の登録方法については「断熱仕様登録」を参照してください。 |
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開口部 |
建具の仕様を設定します。 「建具の3Dカタログ仕様を使う」がONの場合 「3Dカタログ仕様」がONの「熱的境界(建具)」が配置されます。 「ZERO建具仕様設定(内窓)」で内窓の建具・ガラス仕様を設定します。 内窓以外の窓・戸の仕様は建具の属性ダイアログの「ガラス種類」の仕様を使用します。 「建具の3Dカタログ仕様を使う」がOFFの場合 「ATZERO仕様」がONの「熱的境界(建具)」が配置されます。 「ZERO建具仕様設定」で建具・ガラスの仕様を設定します。 |
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※ 内窓について
「専用初期設定:建具-建具仕様」で「平面図で内窓がある場合、内窓付きとして配置」がONの場合、平面図で内窓が配置されている建具の「熱的境界(建具)」の「内窓付き」がONになります(戸は対象外)。 「専用初期設定:建具-建具仕様」の内窓の評価方法によって設定する仕様が異なります。 内窓の仕様の設定については、「平面図で内窓がある場合、内窓付きとして配置」について」を参照してください。
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床 |
床断熱と基礎断熱のどちらの断熱工法で計算するか設定します。床断熱工法の場合は、床の仕様を設定します。 仕様名称をダブルクリックして仕様の変更・登録します。 仕様の登録方法については「断熱仕様登録」を参照してください。 |
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基礎 | 土間床等の外周部の熱損失と基礎壁の熱損失を「別々」に評価する方法と、土間床等の外周部の熱損失と基礎壁(地盤面から400㎜)の熱損失を「一体」として評価する方法のどちらで計算するかを指定して、断熱仕様を設定します。 ※ 評価方法については、「基礎等の熱貫流率について【評価方法:土間床等外周部と基礎壁を別々】」「基礎等の熱貫流率について【評価方法:土間床等外周部と基礎壁を一体】」を参照してください。 ・「別々」と「一体」でダイアログの表示が変わります。 ・仕様名称をダブルクリック仕様の変更・登録をします。 仕様の登録方法については「断熱仕様登録」を参照してください。 ・基礎の「一体」がONで「物件初期設定:基準高さ情報」の「基礎高」が400mmを超える場合、「基礎壁加算分」の設定が表示されます。 |
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「Information」 | 「かんたん設定」モードの「基礎断熱工法」の基礎と「床断熱工法」の基礎の解説が表示されます。 | |||
バルコニー | バルコニーの仕様を設定します。 ・仕様名称をダブルクリックして仕様の変更・登録します。 仕様の登録方法については「断熱仕様登録」を参照してください。 ・「屋根/天井」でどちらの工法を使用するかによって、バルコニーの断熱仕様の初期値が変わります。 |
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外気に接する床 | 外気に接する床の仕様を設定します。 ・仕様名称をダブルクリックして仕様を変更・登録します。 仕様の登録方法については「断熱仕様登録」を参照してください。 |
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仕様セット読み込み | 「専用初期設定:仕様セット」で登録されている断熱仕様を読み込んで自動配置を実行します。 | |||
現在の仕様をセット登録 | 「自動配置条件設定」ダイアログで設定されている断熱仕様を仕様セットに登録します。 ※ 仕様セットに登録できる窓の仕様は1つのため、登録する仕様を選択します。 |
メモ
- 「仕様セット読み込み」をクリックしたとき、「専用初期設定:仕様セット」に仕様セットが登録されていない場合、以下のメッセージ画面が表示されます。
「OK」をクリックして「仕様セット読み込み」ダイアログで「編集」をONにします。「タイプ」から名称を設定して各部材の断熱仕様を設定して仕様セットに登録します。
※「仕様セット読み込み」ダイアログで登録した仕様セットは、「専用初期設定:仕様セット」に反映されます。
※ 仕様セットの登録方法については、「専用初期設定:仕様セット」の「仕様セットを登録するには」を参照してください。
熱的境界・居室区画の自動配置条件A560350_jid_sec02
熱的境界 | モード | 配置条件 | 方位 | |
壁 | 外壁部分(外部部屋の外部側は除く) ・ 壁種別ごとに区切る ・天井高が「部屋属性より」の場合、FLからの天井高が異なる部屋境界で区切る ・ 開口面積は、建具の上端が含まれる壁属性に入れる |
各方位別 | ||
出が500㎜以上、または地袋付き(出窓壁属性の「地袋」ON)の出窓壁 ・ 出窓壁が取り付く外壁面積から出窓壁のくり抜き領域分を減算 ・ 出窓壁の出が500㎜未満のときは、出窓壁が取り付く外壁面積から出窓壁の建具分を減算 |
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「屋根断熱工法」の場合、「熱的境界(妻壁)」を配置 | ||||
建具 | 外部建具(外部部屋の外壁上は除き、出窓壁の建具は含む) ・ 建具属性の「日射遮蔽措置」が「障子」「外付けブラインド」の場合、「ガラス」の「装飾」に連携 ・ 雨戸付、シャッター付、内障子付の場合、「U値」の「付属部材の熱抵抗」に連携 ※「ガラス仕様・装飾と付属部材の連動について」を参照 |
各方位別 | ||
屋根伏図の妻壁の位置にある部屋内部の建具(窓) ・ 自動配置条件が屋根断熱・天井断熱にかかわらず、建具(窓)に対して熱的境界(建具)を配置 |
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トップライト | 上面 | |||
ドーマの建具、ガラスブロック | 各方位別 | |||
床 | 「床断熱工法」の場合、1Fの床部分 ・「U値」の「温度差係数」は「床下側(0.7)」となり、床下側の仕様が入る ・ 土間床の部屋は「外皮面積のみ計上」がONになる ・「ユニットバスを床断熱とする(基礎断熱なし)」がONの場合、浴室・ユニットバス部分は床の断熱仕様が入る |
下面 | ||
「基礎断熱工法」の場合は「外皮面積のみ計上」がONになる | ||||
外気に接する床部分(オーバーハングや、出が500㎜以上または地袋付きの出窓壁の床部分) ・「U値」の「温度差係数」は「外気側(1.0)」となり、外気側の仕様が入る |
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「専用初期設定:自動配置条件」の「部屋毎に登録する」の「床」がONのとき、部屋ごとに配置される OFFのときは、同一仕様で、かつ「外皮面積のみ計上」の設定が同じ熱的境界がまとめられる |
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天井 | バルコニー直下の部屋領域(「専用初期設定:屋根・天井」の「■バルコニー仕様」の「天井断熱」がON) | 上面 | ||
出が500㎜以上、または地袋付き(出窓壁属性の「地袋」ON)の出窓壁の天井部分 ・「天井(木天下地)」の仕様を配置 |
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「天井断熱工法」の場合、屋根が乗っている部屋領域 ・ 領域は部屋ごとに区切る ・ 天井勾配は自動取得しない |
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トップライト・ドーマの開口面積は自動取得しない | ||||
「専用初期設定:自動配置条件」の「部屋毎に登録する」の「天井」がONのとき、部屋ごとに配置 OFFのときは同じ仕様の熱的境界がまとめられる |
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屋根 | バルコニー直下の部屋領域(「専用初期設定:屋根・天井」の「■バルコニー仕様」の「屋根断熱」がONのとき) | 上面 | ||
「屋根断熱工法」の場合、直上に屋根がある部屋領域(外部部屋部分は除く) ・ 屋根勾配を自動取得する ・ 屋根は、仕様・勾配が同じであれば合成される |
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「屋根断熱工法」の場合、トップライトの開口面積が自動取得される(ドーマの開口面積は取得されない) | ||||
軒桁 | 「屋根断熱工法」の場合、屋根直下の「熱的境界(壁)」部分 ・ 屋根の高さ、天井高が異なる場合は分割 |
各方位別 | ||
胴差 | 屋根のかかっていない1Fの「熱的境界(壁)」部分 | 各方位別 | ||
「天井断熱工法」の場合、屋根領域が部屋内部に接する部分 ・屋根の高さ、天井高が異なる場合は分割 |
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土台 | 「基礎断熱工法」の場合、全外周部分(外部部屋の外部側は除く) ・「U値」の「温度差係数」はすべて「外気側(1.0)」 |
各方位別 | ||
「床断熱工法」の場合、土間の部屋(FL=0以上の床高の床断熱の部屋を除く) ・「U値」の「温度差係数」は、外周部が「外気側(1.0)」、床裏境界は「床下側(0.7)」 |
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・ FLより床高が低い部屋がある場合は区切る ・ 基礎パッキン高を「階間(一般部)」に加算 |
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基礎 | 基礎の評価⽅法が 「⼟間床等外周部と基礎壁を別々」 |
「基礎断熱⼯法」の場合、全外周部分(外部部屋の外部側は除く)土間床外周部と基礎壁が配置される ・「U値」の「温度差係数」はすべて「外気側(1.0)」 ・基礎壁面積用の高さに「基礎⾼さ-土間床上端」の値をセット |
各方位別 | |
「床断熱工法」の場合、部屋属性の床仕上がモルタルの部分 ・「ユニットバスを床断熱とする(基礎断熱なし)」がONの場合、浴室・ユニットバスの周囲には配置しない ・「U値」の「温度差係数」は、外周部が「外気側(1.0)」、床裏境界は「床下側(0.7)」 ・基礎壁面積用の高さに「基礎⾼さ-土間床上端」の値をセット |
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基礎の評価⽅法が 「⼟間床等外周部と基礎壁を一体」 |
「基礎断熱工法」の場合、全外周部分(外部部屋の外部側は除く) ・「U値」の「温度差係数」はすべて「外気側(1.0)」 ・「土間全面に断熱材を施工する」がONのとき、外皮面積用の高さに「基礎高さ-スラブ天端高」の値をセット |
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「床断熱工法」の場合、部屋属性の床仕上がモルタルの部分 ・「ユニットバスを床断熱とする(基礎断熱なし)」がONの場合、浴室・ユニットバスの周囲には配置しない ・「U値」の「温度差係数」は、外周部が「外気側(1.0)」、床裏境界は「床下側(0.7)」 |
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高さ400㎜を超える基礎のとき、「熱的境界(壁)加算分」に400㎜を超えた分の値をセット | ||||
居室区画 | 熱的境界の内側となる部屋の床 ・ 天井高さが2.1m以上の部分は床があるとみなす ・ 吹き抜け部分の仮想床は各階の床面に設ける(仮想床からの天井高が2.1m未満の場合を除く) ・ 部屋属性の「外部部屋」がONの部屋には、居室区画を配置しない |
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部屋の属性「床仕上」がOFFの場合で階段が現階の部屋に入力されていない場合、「吹上等」をON |
メモ
- 外皮面積を求めるための高さについては、「熱的境界の高さについて」を参照してください。
- 自動配置した熱的境界の方位は、次の優先順位で設定されます。
1:配置図(1面)の方位マーク 2:1がなければ平面図(1階)の方位マーク 3:2、3がなければ画面の上が真北 - 基準一次エネルギー消費量を算出するのに必要な居室区画(床面積)は以下になります。
部屋属性の「居室」チェックがONの場合、居室タイプ(主たる居室、その他の居室、非居室)は「部屋タイプ」を参照して自動配置されます。
部屋属性の「居室」チェックがOFFの場合は、居室タイプは常に「非居室」となります。
居室タイプ | 部屋属性の部屋タイプ | ハッチング |
主たる居室 | 居間、台所、食事室 ※ リビングにつながるキッチンなど、建具等で区切られていない部屋を含む |
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その他の居室 | 洋室、和室、寝室、子供室 ※ これらに隣接する、区切られていない部屋を含む |
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非居室 | 上記以外 |