部材補正
各部材の取り合いや接続を自動調整します。
各部材の取り合いを調整するA612386_ahs_sec01
- 「伏図アシスタント」の「部材補正」をクリックします。
- 補正を行う部材を選択します(選択方法:要素範囲)。
- 「部材補正」ダイアログで処理する項目にチェックを付けて、「OK」をクリックします。
メモ
- 補正を行う部材を選択してからコマンドを実行しても構いません。
部材補正の処理内容A612386_ahs_sec02
部材の交差を処理
十字に交差する部材の勝ち負けを設定します。負けに設定された部材が切断されます。
部材の勝ち負けは、次のグループ順に優先して設定されます。
構造材(大) > 構造材(中) > 構造材(小)
同じグループの部材(梁と梁など)の場合は、先に入力した部材が勝ち部材になります。
(グループについては、「構造材をグループ別に色表示する」を参照)
メモ
- 構造ブロックの入力順によって、自動配置される部材の入力順が異なります。
- 次図のように部材の伸び返り部分で交差している場合、部材の勝ち負けは設定されません。
梁・桁を通し柱でカット
通し柱に差し込む梁と桁を切断します。
メモ
- 通し柱の上階で柱頭が柱勝ちの場合は、「梁・柱を柱勝ちを考慮しカット」で処理します。
梁・桁を柱勝ちを考慮しカット
下階にて柱勝ちに設定した柱と交差する梁または桁を切断します。通し柱の上階で柱頭が柱勝ちの場合も含みます。
メモ
- 柱の勝ち負け変更は、「軸組」メニューの「柱勝ち負け」で設定します。
- 小屋束勝ちと交差する部材は切断されません。
梁・桁の仕口処理
部材同士の継手やT字に接合する部分に、伸び返り値と端部形状を設定します。
接合部 | 処理の内容 |
I字 | 部材同士がくっ付き、部材の芯が同じ位置でつながっている場合は、端部形状のみ設定します。 部材同士がI字に重なって、部材の芯が同じ位置にある場合は、伸び返り値と端部形状を設定します。 ※部材同士がI字に重なって、部材の芯が同じ位置にない場合は、処理されません。 |
T字 | 接合される部材内に接合する側の部材の芯がある場合、接合する側の部材に伸び返り値と端部形状を設定します。 |
土台、軒桁の取合い
コーナー部分など、L字に交差する部材の勝ち負けを設定し、負けに設定された部材の端の部分を切り落とします。
部材の勝ち負けは、次のグループ順に優先して設定されます。
構造材(大) > 構造材(中) > 構造材(小)
同じグループの部材の場合は、水平方向の部材が優先(横勝ち)で、垂直方向の部材が切断されます。
(グループについては、「構造材をグループ別に色表示する」を参照)
メモ
- 屋根が寄棟の場合の軒桁の取り合いは、「専用初期設定:小屋部材条件」の「軒桁:寄棟」で設定します。
火打の端部処理
土台や梁にかかる火打部材の伸び返り値を設定します。火打部材の芯がコーナー部材の芯々にかかっている場合に処理されます。
メモ
- コーナーに対して45度に配置されていない火打部材は処理されません。
部位自動
配置されている不適切な部材を検索し、構造ブロックまたは参照データより適切な部材に変更します。
このとき、適切な部材への変更と同時に、変更される部材の樹種・等級などを木造構造材マスタから取得する場合は、「構造材マスタから樹種・等級等を取得」をONにします。OFFの場合は、樹種・等級などは変更しません。
階 | 参照データ | 適切な部材 | 備考 |
1階 | 参照(部屋) | 土台 | |
構造ブロック | 土台 | ||
その他 | 大引 | ||
2階以上 | 参照(部屋) | 胴差 | |
間仕切桁(床)/梁(床) | 「専用初期設定:床部材条件」の「間仕切部材」の設定による | ||
構造ブロック | 胴差 | ||
梁(床) | |||
その他 | 床梁 | ||
小屋 | 参照(下階部屋) 参照(屋根) |
軒桁 | |
妻梁 | |||
参照(下階部屋) | 間仕切桁(小屋) | ||
その他 | 小屋梁 |
メモ
- 参照データ上に配置されている部材が対象です(参照データの「その他」は除く)。
断面寸法
他の部材との取り合い状況を考慮して、部材の断面寸法(幅・せい)を自動で再設定します。「専用初期設定:断面寸法」の設定によって処理されます。
メモ
- 属性変更で部材の断面寸法を変更した後に、この項目をONにして補正処理を行うと、「専用初期設定:断面寸法」の断面寸法に再設定されます。
- 「専用初期設定:断面寸法」の「断面寸法を考慮する」がOFFの場合、断面寸法は再設定されません。
柱の高さを梁・桁に合わせる
軸材の上端と下端を、接続する横架材のレベルに合わせた長さになるように再設定します。
各軸材に設定されている「小口」「仕口」の長さを考慮します。
メモ
- 対象の横架材が複数ある場合、軸材の高さの中心から近い方の横架材のレベルに合わせます。
- 柱の上端が横架材の端部に掛かる場合、横架材の端部の「伸び返り」がマイナスの数値でない方のレベルに合わせます。
芯からの伸び返りについてA612386_ahs_sec03
部材は芯基準(部材芯の交点=入力点)で入力します。
芯基準で入力したデータは重なって表現されますが、部材補正によって「相手材の半分」が伸び返り値として設定され、部材の勝ち負けが決まります。
伸び返り値は、各部材の属性の「詳細」タブにある「始点」「終点」で設定します。これにより、部材自体の長さも変わります。
メモ
- 「専用初期設定:描画条件(1)」の「梁・桁端部表現」で「逃げ」を有効にすると、伸び返りがマイナスの部材の端部を短く描画します。逃げは部材の勝ち負けを強調するもので、部材自体の長さには影響しません。
- 各部材の入力時に「始点余長」「終点余長」を設定すると、部材の始点と終点の伸び返りとして連動します。
- 「編集」メニューの各コマンドでは、次のように伸び返り値が設定されます。
- プレカット連携などでFx変換を行うときは、部材が持つ芯から芯までの長さ(始点側の芯の座標と終点側の芯の座標)が出力されます。
コマンド | 動作 |
切断
くり貫き 分割 |
分割して生じる端点の伸び返り値は「0」、両端の伸び返り値は保持されます。 |
接着 | 接着された2つの部材の両端伸び返り値を、接着後の伸び返り値として保持します。 |
取り合い
伸縮(端点指定) 伸縮(数値指定) 範囲伸縮移動 伸縮(延長止) |
編集により移動する端点の伸び返り値はクリアされ、伸び返り値は「0」になります。 |
受け側・差し側指定 | 芯基準から端点までの距離を、伸び返りとして設定します。 |